内容説明
この春、高校生の零次は倉敷へ引っ越してきた。諸事情あって長兄、次兄、双子の弟妹プラス自分の五人だけで暮らしている。新生活にも慣れてきたある日、零次は自分へ向けられる奇妙な視線に気づく。一方、零次宅の向かいにある『枳殻童話専門店』の店主、『ほっこりさん』こと九十九は、雪のように冷たい美貌を持つ少年と知り合う。少年の目的と、その正体は…?
目次
雪だるまと飛べないストーブ
尊の災難
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆかーん
66
毎度おなじみの妖怪と童話にまつわるシリーズ2巻目。今回は『雪女』の息子、『雪鬼』のお話です。初瀬一家の3男・零次と雪女の息子のササメ。人と妖しという異色の二人の幼いころに交わした『約束』が、おもわぬ悲劇を生み出してしまいます。「僕だけの友達でいて」というササメの言葉に「いいよ」と返事をしてしまった零次。その気軽な約束が、零次の兄の命を奪うことになるとは…。相変わらず仲良しな兄弟たちですが、今回は兄・神の零次に対する愛情が重すぎました。弟が大切なのは分かりますが、もう少し見守ってあげてほしいです(笑)2017/05/13
ひめありす@灯れ松明の火
55
シリーズの二冊目。セツラとササメ、そしてセツラの父親。三代にわたる愛と憎しみの物語と、ササメと零次の隔たれていた友情の物語。二つが綺麗に織り合わされていました。神お兄ちゃんのブラコンの理由も判明。それは責任を感じてしまうでしょう。ただ、この兄弟が一体何で自縄自縛っているのか疑問を感じてしまう部分も。もう一つの話は三男坊と末っ子の話。尊は好かん奴だ!と思っていたけれど、何の事はなくお兄ちゃんの事が好きだし、こんな柔らかな思考の持ち主なんだとほっこりしました。彼らの名前が何となく系統だってないのが気になります2017/04/08
はな
48
図書館本。からたち童話専門店第2巻。今回は雪鬼のささめとの話でした。雪女の世界では雪女しか生まれないのに男の子が生まれると、異端扱いされるのかと思うとささめも母親も辛かったと思う。零、神、ささめそれぞれが大切なものを思っているからすれ違うのが切なかった。1巻目よりも2巻目のほうがずっと話が好きです。今後がどう話が進むのか楽しみです。2016/08/21
佐島楓
40
前作に比べ、物語の方向性が定まったと思う。安心して読める感触。2016/05/24
よっち
35
兄弟五人で倉敷へ引っ越してきた新生活にも慣れてきたある日、零次は自分へ向けられる奇妙な視線に気づき、向かいの童話専門店の店主九十九が雪のように冷たい美貌を持つ少年・ササメと出会う第二弾。零次が小さい頃死にかけた理由と、彼を救うために神が交わした約束が明らかになりますが、まあ確かにそれを知ってしまうと、九十九との仲が険悪になるのも分からなくはないですね(苦笑)でも当事者だったササメの奔走もあって、過去の真相が明らかになり問題も解消され、落ち着くべきところに落ち着いた結末には納得感。次巻があればまた読みます。2016/03/03
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