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内容説明
モーパッサンの「首かざり」を教えてくれた国語の先生。『資本論』の旧訳をくれた副塾長。自分の頭で考えるよう導いてくれた数学の師。――異能の元外交官にして、作家・神学者である“知の巨人”はどのような両親のもとに生まれ、どんな少年時代を送り、それがその後の人生にどう影響したのか。思想と行動の原点を描く自伝ノンフィクション。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ehirano1
105
著者と塾の先生達の読書、学問、生き方等に関する対話が羨ましくてたまりません。この対話は塾の先生に留まらず、両親は勿論のこと親戚や旅先の大学生にまで至ります。要は、著者が「常に自ら求めている」のですね。2016/10/22
aika
53
人や本との恵まれた出会いと誠実に向き合っていく15歳の少年の原点を辿ることで、このひとにしか見えない景色が感じられました。中学生にして深夜まで哲学書や文学を読み耽り、ひとりで沖縄や北海道旅行をやってのける、聡明さと真っ直ぐな心根を兼ね揃えた少年。塾のユニークな先生たちや、母に連れられて通った教会の牧師との出会いをとおして、辛い受験勉強の先にある、人生の上で学び知ることの喜びが生き生きと伝わってきます。美味しそうな食べ物の描写も印象的です。何より、ご両親が「優くん」と語りかける姿に温かい愛情が感じられます。2020/03/08
aika
49
つい時間を忘れて読み耽るくらい、抜群に面白いです。目の前の高校受験だけでなく、学問を深く学び、新しいことを知る楽しさを教えてくれる学習塾の先生たち。人の生きる道を伝えてくれた牧師さん。そして何より、優くんに無償の愛情を注ぐご両親。酸いも甘いも色んな人生経験をもつ大人たちと関わったり、興味の赴くままに本を読むことで世界を広げていく少年の軌跡に、胸が高鳴りました。マルクス思想などに興味を持ちながらも、キリスト教信仰との狭間で揺れ動く彼の姿を見ていると、やはり、根底から信仰の人なのだなと改めて感じます。2022/08/26
おさむ
49
知の巨人の少年時代の思い出。両親の与える深い愛情、学習塾での個性的な講師たちとの邂逅と学び、沖縄や尼崎、北海道の一人旅の経験。ここまでディテールを書き込めるのも、多感な思春期ゆえ強烈に心に刻まれたからなんでしょうね。人間を成長させるのは人、本、旅と言っていたのは尊敬する出口さんですが、それを地でいく佐藤さん。今回も圧倒させられました。2016/09/22
なお
32
佐藤優氏の少年期から高校受験迄の15年間の自伝。中学生にして知識に対する欲がすごい。そしてそれらを吸収できる能力がすごい。知の巨人はこのようにして育ったのか。その後押しする両親の愛情も脱帽する。2019/03/25




