内容説明
大きくなったユウスケの前に、「はるひ」という名の女の子が現れる。初対面のはずなのに、なぜか妙に親しげだ。その後も「肝試しがしたい」「殺人の相談にのって」と無理難題を押し付ける。だが、ただの気まぐれに思えた彼女の頼み事は、全て「ある人」を守る為のものだった。時を超えて明らかになる温かな真実。ベストセラー「ささら」シリーズ最終巻。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しんたろー
183
はるひ野シリーズ3部作のラスト…前2作とは少し趣きが異なって、ファンタジーにミステリ要素を加えた連作短編…赤ん坊だったユウスケの成長と四季を描きながら、切ない事情を抱えた人々の悲喜こもごもを加納さんらしい優しいタッチで表現していてホノボノしたりハラハラしたりで楽しめた。最終章でそれまでの事象や人物を鮮やかに繋げる手法も得意技で(若干の強引さもありながらも)「そうだったんだ!」感を素直に味わえるのは、人への眼差しが温かく伝わってくる文章だからだろう。サラや婆さんズを少ししか出さないのも狙いとして洒落ていた。2019/12/20
さてさて
162
シリーズ一作目の〈ささら さや〉で赤ん坊だったユウスケが、全編通しの主人公を務めるこの作品。そんな作品には”佐々良は不思議な街よ。他の場所では絶対起きないことが、ここでなら起きるの”というシリーズならではの物語が描かれていました。凝りに凝った物語構成に途中で頭がこんがらがってもくるこの作品。そんな混乱の読書の先に、加納朋子さんらしく鮮やかな伏線回収の結末に驚愕させられるこの作品。加納さんならではのファンタジー世界の作りこみの上手さに、これでこのシリーズも読み納めかと一抹の寂しさも感じた、そんな作品でした。2023/06/27
katsubek
86
十日町たけひろ氏の解説が見事。いわく、ポッカリとあいた穴そのものである人々(?)の物語。何も語ることができない彼らの言葉を、聞く能力を持つ少年。もちろん、いわゆるオカルトではない。少年の成長とともに物語は明瞭度を増してゆく。「ささら」3部作の最終話。が、この書から読んでも十分楽しめる。むしろ、ゴールを先にという読みもありか。ちなみに私は2→1→3の順に読了。中途半端かな?2017/07/19
ひさか
79
パピルス43号(2012年8月)はるひのの,はる、44号(10月)はるひのの,なつ、45号(12月)はるひのの,あき、46号 (13年2月)はるひのの,ふゆ、47号(4月)ふたたびはるひのの,はる前、48号(6月)ふたたびはるひのの,はる後、の6つの連作短編を2013年6月幻冬舎から刊行。2016年4月幻冬舎文庫化。ささらシリーズ3作目。どこかからやってくる「はる」と見える人であるユウスケを中心に据えた不思議なお話が展開する。最終話で全ての出来事の意味がまとまって行くところのわくわく感が楽しい。2021/09/26
スカラベ
73
小さい頃から、人には見えないものが見えるユウスケ。彼が成長していく過程の四季折々に、束の間何度か姿を現す「はるひ」という謎の少女。彼女は、その折々で助けて欲しいと彼に変わった頼み事をする。何の関連があるのかさっぱりわからなかったこれらの事実。最後にすべてが繋がった時、子を思う母親の気持ちが痛切に胸に突き刺さる。母親はタイムトラベラーにもなれるんだ。3弾のシリーズものの最後の作品ということだが、本書だけ読んでも充分楽しめる。SFっぽくもあるが、加納さんらしい優しく素敵な作品。時を遡って前2作も読んでみよう!2016/05/19
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