内容説明
お嫁さんになったら自然と家事ができるようになるんじゃないの? 思っていたのとぜんぜん違うんだけど──(「だれかの奥さん」)。借金して、地元に帰って、初体験の相手と不倫する。この先、どうやって生きていったらいいのか途方に暮れる──(「ずくもない」)。あのころ思い描いていた未来に立ってない、ぜんぜん立ってない! いつのまにか遠くまできてしまった、私たちのための作品集です
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
まさきち
56
現状に物足りなさを感じながら頑張って生きている女性たちの話を集めた短編集。それぞれ日常的な話からエロティックなものまでバラエティ豊かで非常に楽しませてもらった一冊です。2016/05/06
emi
55
ほんとに、こんな大人になるなんて、だ。明確な夢やら目標やらがある生き方だけが人生じゃないけど、みんなどこか不器用で、欲情や規律や思い上がりや考えないことに流されてきた女たちの短編集。何やってんのよとツッコミながらも、なぜだろう、彼女たちの話を、相槌打ちながら聞いてしまうような読みやすさと、彼女たちの奥底をパッと照らす言葉がよかった。中々のエロさの中にも、不快さがないさっぱり感。主人公たちのようなコは現実にもきっといて、底辺でみっともなく見えるかもしれない。だけど、どこか可愛らしく少しだけ羨ましくも見えた。2016/11/01
えりこんぐ
53
アンソロジーを集めた短編集。性描写が多いのもあり、そっかこの人もRー18文学賞出身の方だったわ。吉川トリコさんとは世代が近く出身も同じだからか、主人公がどれだけ自分とかけ離れたキャラでも、なぜか共感してしまう! なってみて思う。大人って意外に大人でない(私だけ?) お気に入りは『誰かの奥さん』♪2017/03/23
アコ
37
7篇収録。アンソロジーで既読がいくつか。自分は人とは違う!何者かになれる!と信じてやまない若者を描くのが巧い。世代が近いので固有名詞に懐かしくなったり、その自意識過剰さにこちらまで恥ずかしくなったり。『寄生妹』の真逆のキャラとはいえ姉妹ならではの関係がよかった。あとは社宅の世界を描く『だれかの奥さん』。若者目線の作品が多いかただけど、大人の世界を今後もぜひ、と思う。行が続く文体なので、たまに時系列が「?」になるところがいくつかあったけども、今後も楽しみな作家さん。豊島ミホさんの解説もよい。2017/05/23
じゃすぽ
25
アンソロジーの作品をまとめた短篇集。プラス書き下ろし。トリコさんの文章はすごく肌に合う。難しい言葉や表現で飾らない。たまにハッとするほど自分の感情とぴたりと合わさる一文に出くわして、なんというか、作家っというより、読者側の人だなーと思う。それがいつも嬉しい。官能小説もいくつかあって、内容はともかく、雰囲気がよろしい。面白いのにあまり知られてない感じが残念…2016/09/10
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