内容説明
民主主義は「ウソがうまい奴」に権力を与え、全体主義を暴走させる危険なシステムである。橋下劇場、大阪都構想、改革サギ、偽装保守、ナショナリズム、新自由主義、グローバリズム、構造改革、ネット社会、集合痴、お笑い、一般意志、アナーキズム、集団的自衛権、TPP……衆愚のデマに抗するための「保守の知恵」とは?※単行本に掲載の写真の一部は、電子版には収録しておりません。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
壱萬参仟縁
31
2013年初出。適菜先生:バカとは無知ではなく、価値判断ができないこと。この20年で専門家は信用できないという言葉が巷に溢れるようになった(32頁)。藤井先生:重要なポイントは《大衆》には名前がついていないこと。物理現象に近いマス現象(69頁)。小保方晴子さんの言っていることもどうやらすべて虚偽だったようですから、科学という、最も思考しなければならない最後の砦が崩壊したことになる(73頁)。《大衆》は責任をとらない。自由意志もないので、責任概念も芽生えない(85頁)。2016/01/19
出世八五郎
13
大坂都構想否決された頃に出版されたもので、橋下徹をヒトラーと同じく、近代民主主義が両者を生んだと主張する。民主主義=全体主義の危険性と橋下徹批判が主な内容。今、適菜収は藤井聡と仲悪いというかコロナ関連発言で批判している状態。舌鋒鋭い適菜収です。日本の言論人論壇には似非保守しかいないとう適菜氏の主張は倉山満氏と同じですが、保守の定義は両者違うと思われる。適菜氏は孤高に戦っている印象。そして未だに橋下徹がTVでコメンテーターをやる現状はどうにかならないものか。対談本。当時要職に付いていた藤井聡は発言は控えめ。2022/08/20
ほじゅどー
13
★★★★民度が低い大衆は、考えることを放棄した野獣。大衆は議会を軽視する。ネットは典型的な大衆社会(集合痴)。戦争を煽るのも大衆。大衆は異常を見て見ぬふりをする。大衆はきちんと警告している人に冷笑を浴びせる。欲の塊の大衆による政治支配(多数者の専制)。平然と上手な嘘をつく政治家がリーダーに選ばれてしまう。安倍政権がやっていることは国民のプラスにならないことばかり。2017/06/03
フリスビー
13
★★★★☆ひじょうに勉強になりました。「民意」という一般意志を代行するだけなら政治家は要らない。民主主義は、本質的に全体主義を内包している。ディベートと議論は違う。マスコミのイメージ操作の巧みさ。参議院は、良識の府として、貴族院のようにある程度の教養、見識、価値判断力を持った人が構成すべきだと感じました。自分自身、凡庸であることを恥じ、「大衆」とは決別したいと感じさせてくれた対談でした。2016/06/26
まゆまゆ
10
ポピュリストが蔓延る現代は「超デモクラシー」の時代である。偉大なる素人の登場でプロフェッショナルに対する敬意がなくなるなかで、価値判断ができない大衆=バカ=B層が増加している現状を嘆く。思考が失われた結果、大衆は空気によって動く。思考が始まると空気が乱れるが、逆に空気が落ち着いている=騒がれないということは思考停止になっている証拠、との指摘にはドキッとする。2016/02/01