内容説明
野生鳥獣による農作物被害は全国各地で頻発し、この10年ほどは被害総額が約200億円前後と高止まりしています。
農家の経営を圧迫する大きな要因の一つであり、深刻な被害を受けて離農する農家も多い状況です。
これまで、日本では捕獲を中心とする被害対策が取り組まれてきました。
しかし、捕獲頭数はうなぎ登り(過去10年でイノシシは4.5倍、サルは1.6倍など)であるにもかかわらず、被害総額は高止まりを続けており、肝心の農作物が必ずしも守られていない状況が浮き彫りにされています。
また、長らく続けられてきた対策でも、実際は被害を助長しているケースがみられます。
今、大切なことは、動物の目線に立った正しい対策をとることによって、農家自身が農作物を守れるという実感を持つことです。
本書は、長年野生動物の習性と、農作物被害を防ぐ具体的な手法を研究してきた著者らが、最新の動物行動学を踏まえて、農家自らの手で行う被害対策を解説しています。
国内で大きな被害をもたらしているイノシシ、シカ、サル、ツキノワグマなど大型動物、ハクビシン、アライグマ、アナグマ、タヌキ、テン、ヌートリアなどの中型動物、カラスなどの鳥類と、主立った鳥獣を取り上げました。
捕獲に頼るなど従来の対策の誤りや問題点を指摘し、動物の侵入防止柵の正しい設置の仕方、野生動物を無意識のうちに餌付けし被害を招いてしまう行為について、各野生鳥獣の習性に基づいた具体的な対策など、確実に田畑を守るための指南書となってします。
目次
第1章 鳥獣害対策を始める前に
第2章 イノシシの対策
第3章 サルの対策
第4章 シカの対策
第5章 ツキノワグマの対策
第6章 ハクビシンの対策
第7章 アライグマの対策
第8章 アナグマ・タヌキの対策
第9章 テン・ヌートリアの対策
第10章 被害を防ぐ侵入防止柵の作り方
第11章 鳥類の対策
第12章 野生動物の資源化と被害対策の取り組み方
感想・レビュー
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田中はにわ
Hiroyuki Nakajima
テツオ
kawonasi
knenet