内容説明
そこは、わずかな割合で有翼人(イカロス)が生まれる世界の日本――自由奔放な性格の女子高生・自在はるかは、奇跡的に大学に合格して、気ままな学生生活を送ることができると思っていた。しかし、国会でイカロスを社会的に監視する法案が可決されたことにともない、はるかの合格は無効になり、空を飛ぶことにも政府の許可が必要になってしまう。真綿で首を締めるようにイカロスへの規制が厳しくなっていき、やがてそれは、人間とイカロスとの決定的な対立へと向かっていく。果たして、はるかの運命は!?2000年にNHK-FMでラジオ・ドラマ化もされた、著者初期作品の傑作が加筆・修正の上、復活!!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
徒花
250
15万人に1人くらいしかいないマイノリティの有翼人イカロスが暮らしている社会で、なぜかいきなり彼らの人権を奪う法案が成立し、弾圧されていくのに対抗する物語。発売は2015年だが、執筆されたのは2000年でまだ著者が25歳のとき。そのため、SFとしては荒削りなところが目立ち、アクションやエンターテイメント性が重視されているのだが、そちらでも質が高いとはちょっと言い難い。勢いがあるのはたしかだが、やっぱりおススメはしかねるかな。2017/09/30
miroku
15
初期作品だけに無理はあるが、嫌いではない。2016/07/26
まつじん
10
なんか若くていいですねぇ~という感じのするSFでした。2015/11/30
葉月 瞬
4
何者にも縛られず空を征くイカロス達が、自分達の可能性について理解出来ていない普通の人々により窮地へと追いやられるものの、なんとか主体性を守り切り、人類全体の目指すべき未来まで提示してゆくのが気持ちの良い作品でした。俺もイカロスになりたいw2015/11/07
こまるみ
3
中学生の時にNHK青春アドベンチャーのラジオドラマ版再放送を聞いてから今までずっと気になっていた作品なので、今回の復刊は嬉しかったです。10数年前の作品ゆえ今読むと時代を感じるところもあるけれど、広い空をいろんなものを吹っ切って飛びたいと願うイカロスたちの描写が良かったです。2015/11/01