内容説明
青年ピアニスト、アルトゥアは気がつくと見知らぬカフェにいた。どうやら死んでから50年後の世界に蘇ったらしい。そしてひょんなことから音楽大学の学生ベックと知り合い、浮世離れした学生たちと共同生活をはじめることに。常に古風な舞踏会用ドレスを着ている少女や、ブルガリア人の双子の霊媒たちと過ごす新しい人生には、どうして不思議な事件ばかり起きるのか。無気味な“怪人”の出現、リサイタルの妨害、そして殺人。そもそもなぜ蘇ったのか? 謎を解明するためアルトゥアと音大生たちは走る走る! 再会の秘密をめぐる傑作ミステリ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ケロリーヌ@ベルばら同盟
49
【第142回海外作品読書会】音楽大学でピアノを学び、演奏活動を経て、経営コンサルタントへと転身。大学時代から構想を練っていた物語を、コンサルタント時代にこつこつと書き続け、出版に至った本書の作者、フレドゥン・キアンプール。彼の出自、経歴が既に興味深い一遍の物語だけれど、その経験が盛り込まれた『音楽ミステリー』。楽曲、音楽家、演奏法のトリビアが随所に鏤められ、巻末の訳注やリストに助けられながら読了。訳者が本書と出会った経緯を綴ったあとがきが、本文に匹敵する面白さ。2019/10/05
絹恵
42
人間が芸術を生み出すのなら、芸術を罪深くしてしまうのも人間でした。それでも誰に何の事情があったとしても、自分の愛するものを信じればいいのです、この世の涯てまで。きっとそこから終わらない芸術は始まるのだから。そして言葉が死んでも、きみの眠る音楽を聴きながら来世を待ちたい。(原題『Nachlebem(来世)』、単行本版『この世の涯てまで、よろしく』を改題)2015/10/29
山のトンネル
6
50年以上前に死んだ青年ピアニストがある日突然現代に蘇った。 本人にも事情がよくわからないまま、とりあえず音楽大学に紛れ込み、風変わりな友人たちとの日々が始まる――ところが、同時に蘇っていたある危険な人物が犯罪を犯し始める。2022/04/11
カーメンホワット
6
読みながら体が図書館のピアノのDVD棚へいくのをとめられなかった(笑)出てくる曲を俺知らなすぎて2016/03/16
蕭白
5
序盤につまづいてしばらく積読状態でしたが、いざ読み進めてみると、ぐいぐい引き込まれていきました。主人公が生き返った理由や作中に起きた殺人事件の動機などイマイチ納得できない部分もありましたが、物語全体としては面白かったです。2018/01/06
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