内容説明
ときは1866年、大西洋に謎の巨大生物が現れた! 異形の〈怪物〉の目撃譚に人々はおののき噂した。白鯨か? 伝説の怪異か? はたまた超自然現象か? 議論が沸騰するなか、アロナクス教授はその正体を暴くため、使用人のコンセイユとともに高速フリゲート艦に乗り込む。それが、驚くべき旅の始まりになるとも知らずに──。少年から大人までをも魅了する海洋冒険ロマンの傑作、新訳。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ハッシー
264
冒険小説の傑作。果てしなく広がる深海の世界は宇宙よりも大きく感じる。作者の膨大な知識量に裏打ちされた博学さは驚きを通り越して少し辟易もする。非日常的な旅をしたくなって来る。2016/11/28
kaizen@名古屋de朝活読書会
168
海底の話題が豊富にあり、情報源がなんだろうと思って調べようとしています。p17に「 ノルウェー博物誌 ポントピダン司教」が出てきます。日本語の検索ではうまく探せていません。英語に直して、探そうとしています。どこまでが事実で、どこからが創作かの境界線がみえていません。膨大な註があり、註に出ている文献なども捜索中です。註の中に、訳者村松潔が、存在の有無が確認できていないものについての記述がありました。2013/07/25
扉のこちら側
114
2016年299冊め。子どもの頃に岩波少年文庫あたりで初読したはず。こうして大人になってから読むと何が楽しいかというと、ネットで地図や生き物を検索しながら読めること。改めて著者の知識には驚く。『ふしぎの海のナディア』も観返したくなる。下巻へ。2016/05/04
ゴンゾウ@新潮部
111
大人でも充分読み応えがある冒険小説。あの当時に電気で動く潜水艦があるなんてヴェルヌの想像力には驚かされる。海底の神秘的な世界にワクワクした。2016/07/29
七色一味
105
読破。有名なんですが、新潮文庫の100冊リストに入るのはこれが2回め。「少年少女世界文学全集」系には必ずと言っていいほど収録される作品ですが、意外と長い!(笑)ただ、本書の活字が他の新潮文庫のに比べて大きいってのもありますが。☆各章の扉、挿絵とも原作のオリジナルを使用していて雰囲気があります。昔読んだ全集系でも、そう言えばこの挿絵だったなぁ。☆作品の感想じゃない?まぁ、そうですね。でも、今更この古典的名作SFの上巻に、どんな感想を書けと?2016/07/22