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内容説明
人口減、少子高齢化、都市部への一極集中、グローバル化。地方はこのまま衰退、消滅してしまうのか? そして「地方経済に未来はない」という俗説は本当なのか!? 著者は、日本企業を「G」と「L」とに分け、安易なグローバル企業楽観論、ローカル企業悲観論に警鐘を鳴らす。世界市場で戦う製造業を中心とした「グローバル経済圏の企業=Gの世界」と、国内市場においてヒトがサービスを提供する非製造業を中心とした「ローカル経済圏の企業=Lの世界」。一見、前者の前途には明るい未来が待っており、後者は未来のない産業と思われがちだが、現実はイメージどおりではない。グローバル企業だけでなく、福島交通、湘南モノレールなど、ローカル企業の現場をも熟知したIGPIのプロフェショナルたちが、外食、小売、卸売、製造、宿泊サービス業から学校法人、医療まで、業種ごとの事業の方向性を示し、ローカル経済圏を再生させるノウハウを公開。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Kentaro
13
多くのローカル企業の再生と再成長に関与してきた著者は、地味な努力の積み重ねにより、業務、事業、商品毎の収支を見えるかし、改善をし、儲かることに集中して一生懸命働く、もしくは、儲からないことは止めるという決断をする。 緻密に地道にPDCAを回せば、ローカル企業の経営は改善する。著者はそう言い切っている。 東京では行きすぎたグローバル化に追随する人材が求められる一方で、グローバル化には見劣りするものの、強い意思をもって、しかるべき経験とトレーニングを積めば、ローカル企業で活躍できる人材は少なくない。2019/01/10
大先生
6
地方のローカルなL型産業は、人口減少によって縮むイメージがあるがゆえに、競争者が殺到するリスクは小さく、ブルーオーシャン的な状況を作りやすい。地方の中小企業はダメなところが多い傾向があるが、裏を返せば改善しやすいということ。世界のトップを目指すのは難しくても地域のトップなら狙えるし、それで十分。ということが書かれています。第5章には「ダメになる地域企業の死に至る病」という面白い(でも当事者には笑えない)話がありましたが、法的紛争を抱えがちな中小企業(弁護士からすればお得意様)と同じですね(苦笑)。2021/07/03
spike
2
さほど厚くない本だが地域(に限らない中小)企業経営のための、実例に基づいた知見が詰まっており、しっかり時間をかけて読んだ。感覚と勢いだけではダメ、やるべきことを淡々と地道にやらないといけない、ということ。2018/03/10
G2
2
冨山のオジキが書いたローカル企業経営本。中小企業あるある~がちりばめられており、読んでいて結構腹落ちがする。田舎中小企業のなんちゃって管理職の皆様にぜひ読んでいただきたい。2016/05/17
Ryo
1
ローカル企業に未来がないのは本当なのか? ローカル産業の中心となるサービス業の多くは分散型の経済性を有し、地域内の密度向上が勝ち筋となる。つまりグローバル化の影響を受けづらい。 多くは取り組みが容易で効果が大きいLow Hanging Fruitsの宝庫。 事業、財務、組織、経営・ガバナンスの健全化が必要。 小売や飲食、建設土木、サービス業は全国展開が経済合理性を持たず、発展には集約化が重要。 それにはベストプラクティスの共有、密度の経済性、競争の緩和がポイントとなる。2024/02/18