よみがえる松岡洋右 - 昭和史に葬られた男の真実

個数:1
紙書籍版価格
¥1,980
  • 電子書籍
  • Reader

よみがえる松岡洋右 - 昭和史に葬られた男の真実

  • 著者名:福井雄三
  • 価格 ¥1,699(本体¥1,545)
  • PHP研究所(2016/03発売)
  • ポイント 15pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784569829876

ファイル: /

内容説明

「松岡外交が太平洋戦争の引き金を引いた元凶だ!」というのが、昭和史を読む上での“お約束”の理解であった。だが、事実を調べていくと安易にその理解に従っては間違えるのではないかという疑いが出てくる。本書は、従来から、「松岡外交」の真意を探ってきた著者が、満を持して書下ろした、定説への挑戦状である。松岡洋右は、「自分の最大目的は、日米戦争を避けることにある」と常に言っていた。その言葉の裏に、日独伊三国同盟、日ソ中立条約、日米了解案反対など、松岡の害悪と言われている歴史事実の真相が浮かび上がってくる。内閣の中で浮き上がり、昭和天皇にも不快の念をもたれたなど、評価が散々の松岡洋右だが、東京裁判の初期に死亡したことにより、「罪を一身に背負わされた」観も強い。松岡を、外交家としての大構想と大戦略を持っていた人物とする著者の、「歴史への反対弁論」が熱く展開される一冊である。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

双海(ふたみ)

25
満蒙問題の武力解決に断固反対の立場をとるが、成り行き上その後始末をさせられる松岡洋右。国際連盟脱退という最悪の事態だけは回避すると誓ってジュネーブに赴くも、西園寺の裏切りによって、あるいは本国(日本)の訓令によって、連盟脱退を宣言するより仕方がなかった。久々に日本近代史の本を読んだ。大学のゼミを思い出した。2016/05/02

スー

15
松岡洋右と言えば国際連盟脱退時の映像のイメージが強くて強引で平気で横車を押す人物で日本を戦争に引き込んだ重要人物の1人と思っていました。ですが実際は反戦協調路線の人で、ユダヤ人の救助を積極的に行っていて、三国同盟も戦争の為ではなくアメリカが手を出せないようにする為でした。情報を分析して事態を正確に予測して柔軟に対応策を講じられる人物でした。彼が予定通り近衛文麿の次の総理大臣になっていたらと思うと残念です。山県有朋が大嫌いでしたが好人物に書かれていて驚きでした。視点により人の善悪は変わるものだと実感しました2018/08/18

駄目男

2
戦後、松岡は自決しなかった。判決日まで存命であれば或は死刑を受けていたかも知れぬ。退官後の松岡は持病の結核が重く21年6月27日死去。市ヶ谷に向かう時のことか、バスから降りる松岡の映像が残っているが、嘗てのエネルギッシュな風貌とは程遠いやつれた松岡の姿を今に見ることが出来るがもはや最晩年の姿だったわけでだ。しかし、松岡に対する検証は今後も必要であろう。著者は東京国際大学教授という肩書だが一読するところかなり松岡に対する思い入れが深いように読み取れるが。確かにこれまでの松岡像とは違った感想を持った。 2016/10/29

零戦隼人

0
小中学生向けの伝記シリーズに松岡洋右を加えて欲しくなった。国のために奮闘努力したが悲劇的な結末に終わった松岡のような人がいたことをもっと広く知ってもらいたいと思った。2020/05/17

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/10514773
  • ご注意事項