内容説明
太閤秀吉の末裔が巻き込まれた事件とは?
ヘチマくんとは、太閤の末孫、豊臣鮒吉のアダ名である。容貌風采ヘチマの如くモッサリとして世知に疎く、底抜けに善良で人を疑ぐることを知らない。
その彼がまきこまれた事件とは、海千山千のバー・マダム菊池銀子と、学友・熊坂とが争う鹿児島・桜島の土地買収競争だった。
遠藤周作が、得意の明朗軽快なタッチで、現代における人間回復を訴えた、「おバカさん」に次ぐユーモア長編作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
SAT(M)
3
新聞の4コマ漫画みたいなタイトル‥。ヘチマくんこと豊臣鮒吉が主人公のドタバタもの。読み始めはタイトルから受けた印象通り“愛すべきマヌケ“なのですが、最後まで読むとガラッと見方が変わります。ガメつい周囲の人間の中、不器用に純朴に生きている“聖人“のようにすら思えて来ます。戦後数年くらいの時代のはずなのに戦争の傷跡などどこへやら、綺麗に現代的に復興されている東京の景観の描写に違和感すら覚えたのですが、スピーディな都市の復興発展の裏にはそのガメつさ(良く言えばハングリー精神)があったという二面性を窺い知れる。2023/05/21
Yoichi Taguchi
2
戦後の経済復興の右肩上がりの中で、多くの人たちが”生き物の目を抜く”ような生き方をしている。対照的に鮒吉(ヘチマくん)は、淡い夢を抱いて、淡々とゆっくりとした日々を送っている。狐狸庵先生の筆は明らかにヘチマくんの生き方を肯定しているが、けっして彼には幸福を与えず、そこはロマンを排除して徹底的に現実的である。でも、だからこそヘチマくんの生き方を応援したくなる。前作の『おバカさん』と同様に狐狸庵先生の問う生き方は、現在でも十分に考える価値があると思う。2021/06/02
りゅう
0
タイトルだけの判断で、あまり期待して読まなかったけど、個人的には凄く面白かった。 ドクダミが最終的にヘチマの生き方もありかなと傾倒した瞬間が好き。2025/04/19
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