憲法と民主主義の論じ方

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憲法と民主主義の論じ方

  • ISBN:9784022513496

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内容説明

日本の戦後体制である立憲主義が壊されようとしている。「中国が攻めてきたら」「北朝鮮がミサイルを発射したら」「アメリカが守ってくれなかったら」……どれも根拠のないイメージで国民の不安を煽り立て、自衛隊の戦地派遣を可能にする安保法制を押し通した現政権の手法を検証。「安保法は違憲!」と国会で断言し、アカデミズムの側から立ち上がった憲法学の泰斗、長谷部教授と政治学の杉田教授が、「大人になれない」日本の病理を徹底討論! 「独裁」民主主義に待ったをかける。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

壱萬弐仟縁

35
長谷部教授:憲法は政治権力を縛るためのものであって、意味内容を政治家自身が決めるわけにはいきません(16頁)。杉田教授:憲法は大切、違憲はまずいという論点を通じて権力の暴走に脅威を感じる人は立憲主義者(22頁)。安倍は持論を押し付けるのを説明としている。相手の反論も聞かない(41頁)との指摘は国民感情を代弁しているのでよい。長谷部教授:立憲主義は多様な価値観、世界観を持つ人が、フェアに共存し、人間らしい暮らしができる社会の枠組み作り(154頁)。2016/05/12

Haruka Fukuhara

7
前作が興味深かっただけにやや残念。長谷部が政権に反旗を翻している以上、杉田にはあえて多少政権への理解をポーズでもいいから示してほしかった。これではただ批判したい大人が批判しているだけの実に大人げない対談。(むしろ杉田の方が強硬に政権に反発しているように見えた)長谷部の立憲主義解釈はひとつの理念として十分理解できるし尊重されるべきと思うが、それと現実との整合には一方的な批判だけでは逆効果に思われる。長谷部が対話するべきなのは杉田ではなく高村正彦だった気がする。2017/04/02

樋口佳之

3
私の先生の芦部信喜さんの場合で言うと、政府は武力は持ってはいかん、しかし人民は戦っても構わない、ゲリラ戦で戦えという話ですね。樋口陽一さんもそうです。『註解日本国憲法』にもそう書いてあります /そうなんだ。2016/04/07

pb_lack

2
長谷部氏の相当に腹に据えかねたと見える切れ具合がたまらなくいい。法的安定性、(法)解釈論の基礎からの疑問、そもそも安全保障における憲法問題とはどの点か、といったところから杉田氏への応答という形で展開する。合憲説というのはその実「そもそも判断しない」ということなので、本書同様に個人的にもやはり説得的とは言い難い。また、紛争は異なる政治体制の間で起こる可能性が高く、リベラルデモクラシー陣営に所属しつつ現状を積極的に変更するメリットという意味でも同じく。2016/04/04

R

1
改憲論議の過程や、自民党の憲法草案をみていると、「憲法は国家権力を制限するもの」という考えが全く欠けているように思う。2018/02/05

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