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内容説明
ある日突然、家族や友人が、「人が変わったように暴力をふるう」「誰かが促さないと何もしようとしない」「言われたことをすぐに忘れてしまう」――脳梗塞や脳出血、くも膜下出血といった脳血管障害、脳炎や交通事故などで脳を損傷したあと、さまざまな問題を引き起こす高次脳機能障害。厚生労働省の調査によると、患者は全国に約三十万人いることがわかっており、その数は確実に増えつづけている。しかし一見、障害とはわからないため、医療や福祉の専門家でもこの障害に対する理解は十分でない……。高次脳機能障害とは何か? 家族や周囲の人は患者をどのように支援すべきなのか? 社会復帰するための正しいリハビリテーションとは? 正しい診断と評価、家庭や社会の適切な対応によって、症状は必ず改善する。家族がイキイキとしはじめ、当事者に笑顔が戻るのである。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
藤森かつき(Katsuki Fujimori)
26
高次脳機能障害は、何処にいってもリハビリテーションを受けられない医療の谷間に陥っているだけでなく、福祉の谷間にも陥ってしまっている、という。手帳をもっていないために福祉サービスが受けられない、手帳を持っていても高次脳機能障害者へのプログラムがないために福祉サービスが受けられない。医療と福祉の枠から外れ、誰からもどこからも支援を受けることができない。なんとも歯痒い状況があるみたい。本書では、そうした現状の他、高次脳機能障害者のリハビリテーションや、高次脳機能障害者への支援者の対応法も、症状別に書かれている。2019/12/21
Porco
12
身近な問題ではないのですが、もしもの時のために読んでおいて損はなかったかも。忘れてるかもしれませんが。リハビリの話を読むのも初めてでした。2023/03/29
sleep@芒羊會
9
高次脳機能障害が広まっていなかった昔「暗記力が使えないなら、頭の回転速くして、何とかするしかないね!」と開き直ったことを懐かしく思い出した。(;^ω^)性格とも誤解されるから、この障害は難しい。「天然だね」って言われるたびに昔は悲しくなったけど、今は「仕方ないじゃん」って思える。 私は程度としては軽かったし、当時抱いてた夢のために障害者手帳は取らなかったけど、彼らの苦労や苦悩は嫌っていうほど分かる。 だからこそ、最後の詩には涙。笑って傷をごまかして、そうやって毎日を生きる。2017/06/15
くまクマ
7
高次脳機能障害についての教科書的な存在。仕事柄、知識習得を求められている本です。2013/07/06
ふみ
7
叔父が倒れ、高次脳機能障害と診断され、???の状態だった私…たまたま読友さんも同じような状況で、この本を読まれてご紹介されていたので、私も手に取ってみました…退院したモノの、見た目は元気そうなんだけど 何もやる気が出ない 記憶障害等を患っているし とにかく眠い毎日のようで、丁度軽い認知症のよう?でも、高次脳機能障害と認知症は違って、リハビリで5年後ぐらいには以前のようになるのも夢ではないようだ!ただ、今の医療では、高次脳機能障害のリハビリ機関がなかなか無いようだけど…読友さんのお蔭でイイ勉強になった1冊♪2012/11/09