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内容説明
「菅首相の現地視察が東京電力の事故対応を遅らせた」「官邸が現場の注水作業を止めた」「政府はアメリカからの冷却剤提供を断った」――これらの批判は事実無根である。首相官邸で首相、官房長官に次ぐ3番目の危機管理担当であった事故当時の官房副長官が、自ら残したノートをもとに、官邸から見た原発危機の緊迫した状況を再現。知られざる危機の真相を明らかにするとともに、緊急時の国家体制が抱える問題の構図を浮き彫りにし、事故を教訓とした日本の進むべき道筋を提言する。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Porco
23
東日本大地震時の官房副長官が、原発事故の対応について記録した本。官邸の対応にはいろいろ批判があるのでしょうし、改善すべき問題点が本書でも指摘されていますが、最悪の状況の中で、よくギリギリのところで抑えたな、という印象。いまだに、というか、これから何十年も収束しないわけではありますが。2017/09/02
こも 零細企業営業
22
東日本大震災の時の官邸側から見た当時の記録。物凄く混乱してたんだな、、リスクコミュニケーションの重要性がよく分かる。そして、原発ムラの根深さも。ただし国内限定。2020/05/21
kochi
18
〈図書館本〉東日本大震災当時の内閣官房副長官であった著者による、官邸の対応を自身のメモからおこして記したもので、当時の菅内閣に対する様々な批判に答える形になっている。本書によれば、ボロクソ扱いの東電、官僚や科学者の一部については、彼らの言い分も聞かねばと思うが、守るべき何かがあって、それらが福島や日本よりも優先したのかもと… 後半の著者のエネルギー政策提言を読むとき、昨今の状況から見て、さらに暗く沈んだ気持ちになってしまう。2017/12/07
太田青磁
13
電気屋で電気がつなげないのなら、いったいこの国では誰が電気をつなげるのか・現場の情報が東電本店と武黒フェローを挟んで官邸に伝えられる。要領を得ないのは当然だった・「吉田は大丈夫だ、信頼できる。あいつとは連絡を取り合える。これで現場とつながった」それが第一声だった・11日、12日時点においては同心円状の避難しかあり得ない・「町を挙げて避難民を受け入れ、助けた自分たちが、なんで1カ月も経ってから避難しなければならないんだ」・1970年代の石油ショックにおける経済的な負のインパクトがあまりにも大きかったのだろう2020/04/21
イエローバード
11
311が10年目なので、いろいろと思うところあって読んだ。読み終えて、マスコミの情報を鵜呑みにしてはいけないなとつくづく感じた。それにしても、「復興五輪」がいつのまにか「コロナに打ち勝った証の五輪」になってしまったのはやっぱり悲しい気がする。2021/03/12