首相が撃たれた日に

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首相が撃たれた日に

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  • サイズ A5判/ページ数 244p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784309208688
  • NDC分類 929.733
  • Cコード C0097

出版社内容情報

軍隊生活、テロ、ホロコースト、過酷な歴史と未来。逃げようのない現実と、その中の愛と孤独。イスラエル屈指のストーリーテラーがユーモアと諧謔を交えて描く珠玉の短篇傑作選

著者情報
1964年、ホロコースト第二世代としてイスラエルで生まれる。作家・コラムニスト・脚本家。カーヴァーなどの翻訳も手がける。長篇に『五つの夢』『世界を消した男』など、短篇集に『嘆きの壁を移した男』など。

内容説明

行き場のない青年の鬱屈した現実を描き、イツハク・ラビン首相暗殺を予見したと評される表題作のほか、ユダヤ人の聖地を海岸に移設する顛末譚「嘆きの壁を移した男」、2048年にヒトラーとアンネ・フランクのアンドロイドが遭遇する「もうひとつのラブストーリー」など、エトガル・ケレットと並び、イスラエル屈指のストーリーテラーと評される作家の短篇を精選した日本語版オリジナル短篇集。過酷な過去と現実を生きる若者たちの諧謔とペーソスに満ちた優しき世界。

著者等紹介

ヴァイル,ウズィ[ヴァイル,ウズィ] [Weil,Uzi]
1964年、ホロコースト第二世代としてイスラエルのキブツで生まれ、1歳でテルアビブに移る。作家・コラムニスト・脚本家・ジャーナリスト。1991年『首相が撃たれた日に』で作家デビュー。E・ケレットやO・カステル=ブルームと同じポストモダン世代に属す。1990年から「ハ・イル」紙の風刺コラム「裏表紙」を担当し始め、タブーなテーマを率直に扱う人気作家として注目される。翻訳家としてR・カーヴァーやM・ストランドなどの作品を訳すほか、児童書や絵本も多数手がけている。長篇に『五つの夢』『世界を消した男』など、短篇集に『嘆きの壁を移した男』『しあわせ』など。テルアビブ在住

母袋夏生[モタイナツウ]
長野県生まれ。ヘブライ語翻訳家。エルサレム・ヘブライ大学修士ディプロマコース修了。1998年、ヘブライ文学翻訳奨励賞受賞

広岡杏子[ヒロオカキョウコ]
1982年、東京生まれ。翻訳家。英国ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン(UCL)ヘブライ語・ユダヤ学部卒業。エルサレム・ヘブライ大学RIS修士課程卒業

波多野苗子[ハタノナエコ]
音楽大学在籍中に聖書を通じてヘブライ語やイスラエル文化を知る。卒業後、福山市のホロコースト記念館勤務等を経て翻訳を学ぶ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ケンイチミズバ

85
世代の違いを嘆く近未来。ホロコーストの記憶は薄れ、ハイテク企業が国にある提案を。ヒトラーのアンドロイドを製造し正しい裁きを受けさせては?初号機はネットに繋がれ過去の記憶を蓄積し、ヒトラーとしての記憶を持つ。故に過去を猛省し、涙し、迷いもなく刑の執行を求めた。が、歴史認識の薄い世間は彼に同情的か無関心で目論見は失敗。ならば、次の歴史アイコンをと。アンネフランクの記憶を充填した2号機が、しかし。こんなあらすじだと興味をもたれるでしょう。が、読んでみるとつまらない。なぜなら私が日本人でイスラエル人ではないから。2022/11/11

ヘラジカ

46
これまた自分好みの素晴らしい短篇集。テーマや時代背景は様々ながら、どれも現代イスラエルの欠片を核に持っていて、普遍的ではあるもののオリジナルな味わいを醸し出している。魅力はユーモアとペーソスと言ってしまえばそれまでなのだが、イスラエル文学でしか作られない物語という点で記憶に残りそうだ。収録作でのお気に入りは「なあ、行かないでくれ」「で、あんたは死ね」「しあわせ」「ちょっとした問題を抱えた女」の四作。ケレットよりは現実味のある作品が多めだが、あの作家が好きなら是非とも手に取るべき一冊だと思う。2022/11/02

星落秋風五丈原

23
「もうひとつのラブストーリー」ビッグカップル誕生「なあ、行かないでくれ」しんみり 2022/11/26

akane

8
読書中、ええ!? と声をあげること数回。現地の国情に疎い私でも、ヒトラーとアンネのコンビとか嘆きの壁の移動とか、あまりのタブーに冷や汗をかいた。しかし政情は深く語られず、むしろ個人の人生に焦点を当て、さらりとした筆致で悲哀をかもす。作品の閉めにはほろ苦い余韻が残り、短編の醍醐味を味わえる。最も好きなのは表題作。女が男のためにカクテルを作るシーンが最高。男の目に映るものがそのまま描写の文章なので、女の作る飲み物への期待値が手に取るようにわかる。台詞も短くしゃれていて、ムーディ。ここは何度も繰り返し読んだ。2023/04/07

4
アンネ・フランクとヒトラーの恋愛というタブーすぎる短編、「もう1つのラブストーリー」が良かった! 訳者あとがきにあった、兵役についてもイスラエルでどう捉えられているのかなるほど、と思った。現代的で旬の作家。他の短編集も気になる。2023/02/09

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