集英社文庫<br> 桐畑家の縁談

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集英社文庫
桐畑家の縁談

  • 著者名:中島京子【著】
  • 価格 ¥495(本体¥450)
  • 集英社(2016/03発売)
  • ポイント 4pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784087465624

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内容説明

「結婚することにした」ある日突然、妹から告げられた桐畑露子。お相手は台湾の青年らしい。おくてな妹が自分より先に結婚なんて……27歳、無職で妹の家に居候中の露子は、落ち着かないながらもしぶしぶ職探しを始める。実は彼女も恋人からプロポーズされていたが、乗り気になれないのだった――。娘の国際結婚に戸惑う両親も巻き込んだ、迷走姉妹のユーモラスでちょっとビターな物語。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

420
まず「縁談」などという古風なタイトルがいい。そして「思春期に人が持つべきナルシシズムを、あらかじめ欠いて成長してしまった」(姉の露子による佳子評)主人公、佳子の造形がまたいい。万事に「普通の」露子がなんだか気の毒にさえなってくる。さらには物語の運びのテンポが実に絶妙である。エンディングでは、私たち読者もほのぼのとした雰囲気に包まれる。初出は『ウフ.』への連載らしく、連作短篇のような構成をとっている。したがって毎回小さなヤマ場があるのも楽しい。なんていうことのない小説。それはまさに小説らしい小説なのである。2021/11/27

じいじ

95
私には二人の妹がいますが、同じ両親から生まれた姉妹なのに、容貌・性格はかなり違っています。今作の主人公・親元離れての姉妹も、結婚観などまったく違っています。或る日、妹から「私、結婚するから…」と言われ、のほほんと居候中の姉は、尻に火が付きます。そして、やおら懸命な職探し、結婚相手探しが始まります。同時に、晴れの結婚式に向かって、父親のうろたえぶりと母親の苛立ちは最高潮に…。この作品、登場人物たちは大真面目なのですが、読み手にはとても楽しい可笑しい物語です。中島さんのユーモアセンスに感謝・乾杯!2022/11/09

いたろう

85
短編集「さようなら、コタツ」の中の1編、「私は彼らのやさしい声を聞く」の前日談、というか、本作は長編なので、物語としては、むしろ、こちらが本編? 仕事を辞め、妹の佳子の部屋に居候をしている露子は、熱心に仕事を探している訳でもなく、一応、研修医の恋人はいるが、結婚をしたい訳でもない。「私は彼らの~」では、妹の佳子が既に結婚しているが、本作では、佳子が台湾人の夫、ウー・ミンゾンと結婚に至るまでの話も。妹の佳子も、ウー・ミンゾンもなかなかいいキャラ。今度は、「私は彼らの~」の後日談というか、続編も読んでみたい。2021/09/25

naoっぴ

79
桐畑家の姉妹露子と佳子の、結婚観や仕事観の違いと葛藤を描いた連作集。中島さん特有のおかしみある言い回しとまろやかな文章が好き。どこにでもある日常を切り取った話ですが、温かみのあるいい作品だと思います。私にも妹がいるので露子の気持ちがわかるなぁ。同じ環境に育って仲も良いけど、まったく別の人格だから好みも生活ペースも全然交わらない(笑) 違う人種のようなお互いを見ながら自らを振り返って学んだり、いまだにそんな日常の連続です。佳子に先を越されたけど、露子にも自分の道を見つけられる日がきますように。2016/05/09

巨峰

66
いまいち文章がしっくりこない。まぁ、個人的感覚なんだとおもう。ざっくり言うと、妹にニートする姉27歳が、その妹が台湾人の男の事の結婚が決まって慌てる話。あの妹が・・・なんて感慨を覚えているけど、それだけでは終われないです、現実が・・・2019/03/25

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