内容説明
ギリシア北方の山岳地帯で山羊の放牧を営んでいたマケドニア人が王国を建設したのが前7世紀半ば。前4世紀にギリシアを征服したフィリッポス2世の後を継いだアレクサンドロス大王は、前334年に東方遠征に出発し、ペルシア帝国を征服。たった10年で地中海からインダス川にいたる大帝国を築き上げた秘密と、ローマ帝国の皇帝崇拝など後の歴史に大王が与えた影響力を解明する。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
榊原 香織
129
シリーズ1 アレキサンダー大王て覚えてたんだけど。一瞬の広大な帝国。 男同士の恋人たちで編成された軍隊、てやや驚く(彼の父王は男同士の三角関係で暗殺)2025/01/24
優希
111
面白かったです。アレクサンドロス大王が約33年という短い生涯の中でいかにして大帝国を築き上げたかが述べられています。後世の歴史にも大きな影響を与え、神格化された理由もよくわかりました。アレクサンドロスの支配はいかに自らの支配の中に伝統や儀礼を取り込んだかを学術的に論じており、豊富な資料にもとづく怒濤の生涯の記録として読めました。新たなヘレニズム文化の歴史とも繋がりがあるのが興味深かったです。『興亡の世界史』シリーズとして刊行されていくようなので、今後も読んでいきたいと思います。2016/03/23
風に吹かれて
22
歴史は事柄の前後にも目を向けることや広く地域を見渡すことが大切だと思っているが、現代とは社会や人々の考え方が違う古代のこととなると一層それが大切になる。本書は一般向けの入門書的な本なので早足的な記述がないわけではないが、アレクサンドロス(紀元前356年7月20日~紀元前323年6月10日)を歴史の流れの中に据えた分かりやすい本だと思う。➡2020/12/04
ぽんすけ
19
歴史本というとハードカバーが多いがこのシリーズは文庫本のため大変読みやすい。アレクサンドロス大王を取り上げた本書は、神格化された後世への影響と、最近の研究により新たに体系化されつつあるヘレニズム史をわかりやすく解説してくれているので大変面白かった。ただ私自身アレクサンドロス大王というと子供の頃から連戦連勝の英雄でめっちゃ恰好いいイメージだったので、この本を読んでかなり印象が変わった。確かに個人としては不世出の英雄かもしれないが、為政者としては首を傾げざるを得ない。無駄な虐殺や激昂して部下を殺すのも幻滅した2023/06/28
かんがく
19
世界史通史理解のためにこのシリーズを読み出す。アレクサンドロスという一人の人物に注目し、東方遠征の流れとともに、彼の人物や後世における評価、歴史的意義にも触れていく。アメリカのブッシュ政権への批判的視点が織り込まれる。ヘレニズム文化におけるローマの重要性も指摘。2019/10/18