内容説明
江戸は天保末期、深川を東西に流れる小名木川のほとりには、春をひさぐ女が多くあった。彼女たちにとって、川は哀しみの涙をあつめて流れる“女泣川”だった。旗本の左文字小弥太は、苦界で懸命に生きる売女たちの姿に胸をうたれ、屋敷を飛び出し、用心棒を買って出た。竹光だが、斬れ味鋭い“べらぼう村正”を振るって難事に挑む酔狂な剣客の活躍を描いた連作集!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
くさてる
20
捕物帳の古典以外の時代小説には苦手意識があるのだけど、「なめくじ長屋」シリーズは面白かった記憶があって、同じ作者のこれも手に取ったら、途中でやめられずに一気読み。切り裂きジャックの犠牲となったヴィクトリア朝の女性たちについてのノンフィクションを思い出すリアリティと、人間心理の複雑さをみごとに表現した描写、なによりも主人公が良い。このままいつまでもこの生活が続いて欲しいと思わずにいられない、良さがあった。おすすめです。2024/11/13
KAZOO
18
この前半は昔読んだことがあるのですが後半は未読でした。確かに題名だけ読むと哀れな身売り女性の話が中心だと思われるのですが、解説の新保さんも言っているように、細やかな人情話が中心を占めています。都筑さんのなめくじ長屋シリーズなども好きですがこの小説も魅力があります。2014/06/25
キーにゃん@絶対ガラケー主義宣言
11
これぞハードボイルド!!「…男のかわりをしたくても、男とおなじ賃銭はとれねえんだ。おそらく、天下がひっくり返って、世なみが多少よくなっても、そのことに、変わりはねえだろうよ」べらぼう先生…(T-T)都筑作品を読むと本当に地名変更の愚を知るね。2015/05/13
いちはじめ
10
一冊にまとまって本当に嬉しい。都築道夫の単行本化された小説はほとんど読んでいるが、この短篇連作は、五本の指に入る傑作だと思う。少なくとも、80年代以降の作品では、一番だろう。凝りに凝った技巧やスマートな作風に定評のある作者だが、このシリーズでは、やるせなさの中にもしみじみとした余韻の残るドラマが冴えている。また、舞台は現在のどのあたりにあたるとかの蘊蓄も読みどころ。2013/11/03
popo
9
ハードボイルドだったぜぃ! 道夫先生の時代小説ですが、 とりあえず、クサいセリフが多くてww カッコいいけど、笑ってしまう。 でも、べらぼうムラマサは、、、ほしい。2017/10/10
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