ハヤカワ文庫NF<br> パリは燃えているか?〔新版〕 上

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ハヤカワ文庫NF
パリは燃えているか?〔新版〕 上

  • ISBN:9784150504557

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内容説明

第二次大戦末期、ヒトラーは命じた。「パリを敵の手に渡すときは、廃墟になっていなければならない!」パリの街なかには爆薬が仕掛けられ、市街で激しい戦闘が繰り広げられた。世界が愛する文化の都は、戦火の荒波に翻弄されて――膨大な調査に基づきパリ攻防の真実を描いたノンフィクション。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

372
1944年8月、ナチス占領下にあったパリの攻防を描く歴史ドキュメンタリー。ラステンブルクからパリを望見するヒトラー。ノルマンジーに集結する連合軍とアイゼンハワー元帥。アルジェにあってパリ入城を目論むドゴール。レジスタンスを結集して一気に政権奪取をはかる共産党。サルトルもヘミングウェイも顔を見せる。その他大多数の人々の人生が、広大なうねりと思惑の中に翻弄されてゆく。列車で収容所に護送された人たち、ゲシュタポに逮捕されあえなく散っていった若者たち。本書の主役はヒトラーでもドゴールでもなく、そうした人たちだ。2018/08/17

藤月はな(灯れ松明の火)

73
題名となっているこの言葉はパリを廃墟にしなければ、ドイツが負けると盲信していたヒトラーがドイツ軍がパリ攻撃をしていると信じ、発した言葉だという。パリが救われるのにはアイゼンハウアーとドゴールとの緊迫した関係性が左右していたという事に慄きが止まらない。しかし、ドイツ軍の圧政に耐えて反旗をひるがえしたパリの警官達の最期やアメリカ大統領に必死に伝令を持ってきたパリ人に対して、「それがどうした」と対岸の火事を見ているかのようなアメリカ軍の差に遣る瀬無くなってくる。そして圧政の中、健気に生きるパリっ子の姿にも。2016/09/03

Willie the Wildcat

69
相反する価値観、義務、そして責任。大局的には連合国軍vs.ナチスではあるが、各国、個々人の心に生まれる”矛盾”への葛藤が主軸となり話が展開。政治、宗教、哲学・・・。コルティッツとドゴールの対照が象徴。決定権の差異が、苦悩の差異ともなる。パリ一斉蜂起は、若干”色”の異なる矛盾。”色”とは自他の観点。結果論として自が他となり、”色”を薄める過程が皮肉でもある。ノンフィクションとのことだが、印象的なのがルフォーシュー夫妻の再会と、その場面での親衛隊員の対応。人間なんだよなぁ。2017/06/03

HANA

64
1944年8月パリ解放。第二次世界大戦史だと一行で終わる出来事だが、その背後では幾多のドラマがあったことを教えてくれる本。ヒトラー、ドゴールから数多の将軍、一市民に至るまで点描しパリ解放に至るまでを描きつくしている。正直今までは連合軍の手によって解放されたとしか思っていなかったので、ドゴール派と共産党との対立やパリ市民の蜂起、それによるパリの破壊寸前という所等は手に汗を握る思いで読む。今現在のパリがあるのは文字通り綱渡りの結果なのであるな。登場人物は多いが、その一人一人が本に物凄い厚みを持たせていた。2016/04/19

harass

51
1944年ノルマンディ上陸作戦後ナチスドイツは撤退を強いられ首都のパリにも連合軍は迫る勢い。パリのレジスタンスたちは蜂起を企てるが、仏共産党系のレジスタンスとド・ゴール派との主導権争いの暗躍。ド・ゴール自身が仏本土に潜入し、連合軍に働きかけ一刻も早くパリに進軍することを懇願するが、連合軍はパリの解放を望んでいなかった。膨大な物資が必要で、進軍速度が落ちるのは目に見えていたからだ。名作ノンフィクションの文庫化でようやく読む。映画化されていて映像化前提の描写が多く読みやすい。革命の本場の自由のための戦い。2016/05/19

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