内容説明
「海王星」作戦の戦功で、西側諸国へ東ドイツの戦闘技術の高さを知らしめた第666戦術機中隊。そして義妹リィズのスパイ容疑も一旦落ち着き、隊の結束も強まる中、未来に希望を抱くテオドールだったが、BETAの大攻勢と本国での反体制派粛清の報せが! 更に帰国した彼らを迎えた国家保安省少佐・アクスマンにより、リィズのスパイ疑惑が再燃し――。大人気PCゲーム『マブラヴ オルタネイティヴ』の物語より18年前。欧州大戦を描く物語第4弾!!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
のれん
9
ドラマ部分が大きく動き出した。 そういや原作エロゲだったな、と思わせる女たちの情念。スッキリした地の文も視点となるキャラの情念が乗り移ったようにドロドロした文が光っていた。 テオドールが「仲良しごっこ」とやらを能動的に守ろう決意することは英雄的である。でもそれは同時に他者の感情を利用し、自分の機微を武器にすること。それは唾棄すべき秘密警察に通ずるものだ。 深淵を除くもの、悪を倒さんとするもの。それこそが悪の始まりなのだ。 テオドールもカティアの視点も重い。もうフラットなのはシルヴィアだけだよ。2022/06/03
sabaKAN
7
戸惑いました。けれど読後は称賛しか浮かびません。アイリスディーナへの恋慕に共感し、戦友としてのグレーテルに熱い想いが込み上げて、そんなふうに育った温かい思いが、突き立てられたナイフによってどくどくと体外に流れでてしまうような最後の展開。容赦がありません。苦しい。でもこの不自由な世界観が、全ての内容に説得力を与えます。「全てを救おうとして、全てを失うわけにはいかない」。テオドールは『黒の宣告』を下すことになるのでしょうか。その時、カティアは?第5巻を待ち望みます。2012/10/31
シャルシェ
6
カティアがすごく成長しているなあと思うのですが、それより感じることが各キャラの本音とその交じり合いが壮絶だということ。ある意味、BETAより怖い女の子たちですねwしかし、BETAとシュタージはいつも僕らの胸に絶望を連れてきてくれますね。もう大好き。重光線級との戦いとさらなる絶望が書かれるであろう5巻が楽しみです。もう暗色な未来しか見えない気がするのにニヤニヤしちゃうから不思議。2015/07/08
HAL@ハッピーハッピークロニクル
6
はい、死亡フラグ乱立です。第666戦術機中隊に渦巻く崩壊の序曲・・・もう誰も止められない。テオドール自身も疑心暗鬼のままただ流れに身を任せてるようじゃなぁ。ああ、カティアが可哀相でなりません。本編で武ちゃんが言ってた「そんなだから人類は負けるんだ」と言う言葉が脳内を駆け巡ったそんな四巻でありました。2012/11/01
可兒
5
ゼーロウ高地に東独の戦術機甲部隊をほとんど集めてBETAにぶつけるという乾坤一擲の作戦。そして、前線が大変な時に後方で迷惑なことをやる人というのも、どうやら末期な国にはたいてい存在するようだ。まあ666中にもシュタージのジャブが決まって揉めたが、それが主人公個人に対する問題へ伸びたのが正直一番不安2012/11/12