角川文庫<br> 天の陽炎 -大正浪漫伝説-

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角川文庫
天の陽炎 -大正浪漫伝説-

  • 著者名:栗本薫【著者】
  • 価格 ¥462(本体¥420)
  • KADOKAWA(2016/02発売)
  • ポイント 4pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784041500675

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内容説明

華族たちがゴシップで世間を賑わせている大正時代。女学校を出たばかりの真珠子はその美貌を見初められ、綾瀬成祐子爵と結婚した。だが、夫は彼女を着せ替え人形のようにしか扱わない。そんな彼女の前に、大陸浪人の天童壮介が現れる。天童は綾瀬から金を騙し取り、大陸での成功を企んでいた。彼の思惑を知りつつも、真珠子は天童の語る大陸への思いに惹かれていく。そして姑の死をきっかけに、彼女の運命が大きく動きだす。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

きんぎょっち

7
延々と続く主人公のモノローグ。「…」がやたら多い散文調、語尾が「…なのだワ」とカタカナなのがいかにも女性的、と栗本薫らしい演出力がたっぷり。女学校を出てすぐの美貌のおぼこ娘であるヒロインは、金で買われるように子爵の後妻となり、着せ替え人形のように扱われ、自由も意思も人格すら持たない。そんな「生」も「性」も知らない彼女に、大陸浪人の男が近づき関係することで、彼女の中に眠っていた「生きる意志」が目覚めるストーリー。この時代の女性の生きる選択肢のなさに息が詰まりすぎたか、あまり大正浪漫は感じられなかったです…。2017/11/19

みどり

6
ザ・大正浪漫という感じ。器量を買われて子爵家に玉の輿に乗った庶民出の真珠子の自我の目覚めを描いたもの。最初、お家様と御前に流されるだけだった真珠子が天童に強引にされていく内に変わる考えが面白い。孤独になった真珠子が守宮がきっかけで外に出ていくのは「わかるなぁ」となった。人間の浮き沈みなんて些細なことがきっかけなんだよね、と。最終的に自らの手を汚した真珠子だけど、天童に「お前は凄い女だったんだな」と言われた時、やっと真珠子が恋とかではなく、独りではなくなったという意味で報われた気がしました。2015/03/12

nrm

5
始めはただ翻弄されるばかりだった姿が、どんどん変貌していく様がすごい。ラスト近く、「石見銀山ヨ」といった瞬間の壮絶さにぞっとした。その後のほうがもっと壮絶なんだけど、この一言が決定的な変化だった。グインや魔界水滸伝とは全く違う印象だけど、ぐいぐい読んでしまう勢いはやっぱり同じ。2009/10/28

kaizen@名古屋de朝活読書会

4
大正時代の女性の生き方を綴った物語。 栗本馨の小説の源泉がどこにあるのだろう。 長く潜伏する思い。 外的な要因と内的な要因が重なるとき、 新しい生き方が展開して行く。 子爵夫人という立場と、 人間としての思い。 運命が動き出したばかりなので続編が読みたい。2012/03/13

ぷるぷる

3
くどくど、だらだらと主人公の胸のうちを書き連ねているだけの話だった。最後の展開はちょっと意外だったが、それもたいしたことと思えない。 2007/06/10

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