内容説明
日本から「近代」を学んで中国に移植しようとした先駆者たちは、いったいどのように中国の近代化に貢献し、そして彼らの努力はどうして失敗に終わったのか。ある意味では、彼らの個人史は、すなわち中国における近代国家建設の前進と失敗の歴史そのものであるから、彼らの業績と行ないを調べて探究してみれば、この国における「近代化問題」のすべてがわかってくるような気がする。また、日本と深い関わりをもった彼らの成功と失敗を吟味していけば、明治以来の日本と中国との関係、あるいは日本という国と中国の近代化との関係性もわかってくるであろう。そして、「日本が近代化に成功して近代を超克できたのに、どうして中国は失敗に終わったのか」という、われわれが疑問に抱く最大の問題もまた、それによって解明されていくのではないか。本書は、このような中国の近代史にかんする「謎解き」を意図するものである。(石平/本文より)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Eiichi
26
大中華思想がこの国の民を苦しめているのだろう、私利私欲を貪る精神構造そのもの、いまだに何も変わっていない中国の現状だろう2016/06/30
Tomonori Yonezawa
2
【unlimited】月刊『Voice』の連載に書き下ろしと再構成を加えたもの。氏の著作や発言を見聞きしてるならいつも通りの予想できるもの。 石平氏や中国出身の言論人、現中国共産党指導者を含む中国人を見て思うことがある。あの地には確かに何千年に渡って人が住み、文化も積み重なってきた。しかし、国が続いてきた訳じゃないんだよね。色々な民族がこれまでを否定して新しい国を興したんであって、国が何千年も続いてきた訳じゃない。 裏切りで自己利益の最大化、ルールを守らせるために外部の監視者。その役割は何処かな?2020/10/24
しかおおう
0
いまいち。 最初の方は、中国の歴史概要であり、近代国家になれていない点がわかりやすく述べられているが、その後は中国人留学生の紹介ばかりで、なんかつまらないなーと。 雑誌で連載したまとめということで、こんなもんか。2022/12/26