内容説明
「地方」をめぐる20のささやかな物語。
ある県の、20の街を舞台とした心温まるショートストーリー集です。シャッター通りと化した商店街を元気付けようと、地元女子高生たちがガールズバンドを結成。これがネット動画で思わぬ話題になる(シャッター・ストリート・バンド)…、をはじめ、全国の地方でおきている「若者の流失」「デートする場所がない」「Uターン」「軽自動車が人気」「街おこし策」などを題材にした、しみじみと、ほのぼのと、そしてくすりとさせる短編集。物語は東京にだけあるのではなく、「地方」にもそれぞれの物語があります。それは、あなたの街の、そしてあなた自身の物語かもしれません。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あちゃくん
110
地方の町を題材にした20編の短編集です。佐賀県に20の市町村があることから着想したとのことで、僕自身はあまり佐賀県に土地勘はないけれど、あぁこれは鳥栖の話だとか、これは武雄だなとか想像しながら読むのは楽しかったです。2015/12/23
すいへい
11
ステレオタイプな地方の題材の小説ではなく、リアルに近い雰囲気な気が。擬人化した視点のショートショートも含め、楽しめた。今年最後の読了2015/12/31
すずきさん
7
何処にでもある様な地方の町を舞台にしたショートショート20編2015/12/20
ジュースの素
5
短いコラムが多数入っている。目立たない小さな町の人々の思いや、暮らし。日本のほとんどの町はこうだ。みんな大都会を一度は目指すが、実は小さなこう言う町の日々がけっこう幸せで身の丈に合うと知る本。2017/02/26
茶幸才斎
4
同じ一つの県の20の市と町。それぞれの「この街」を舞台にした20の短編集。少子高齢化の波が打ち寄せ、人口は減り、若者の働き口も多くない、だがそこにある自然と一次産業と伝統文化を継承し、決して気ぜわしくない人々が日々の暮らしを営む。そんな「この街」への愛着、誇り、郷愁の念、その他の想いを、ときにうら寂しく、ときにほの温かく、ときにコミカルに描いているが、1編が12、3ページと短く、各話とも中身はかなり薄口である。いやいや、地方はいろんな意味で濃い口なんだけどな。濃い口で、味があって、そこが面白いんだけどな。2016/04/29