内容説明
長く理解を得られず、批判されてきたゲーム理論を日本に根付かせるべく紹介し続けた研究者、鈴木光男。「昭和第一期生」として生まれ、その成長期に開戦、学徒勤労動員、敗戦を体験。大学時代にゲーム理論と出会い、多くの偏見と戦いながら、「人間的なるもの」を求めて研究を継続、数多の優秀な研究者を輩出した。さまざまな人物との出会いと別れを経た著者が、未曾有の大被害をもたらした大震災と放射性物質に思いを馳せ、追憶の自伝を著す。
目次
第1章 昭和第一期生の少年時代―東北の山村にて
第2章 学徒勤労動員―忘れられた歴史
第3章 山形高等学校時代―敗戦そして旅立ち
第4章 東北大学時代―ゲーム理論との出会い
第5章 東京工業大学時代―ゲーム理論・発展期
第6章 東京理科大学時代―ゲーム理論・花開く頃
第7章 二十一世紀に入って―回顧と展望
著者等紹介
鈴木光男[スズキミツオ]
1928年福島県石川町に生まれる。私立石川中学校、山形高等学校理科甲類(旧制)を経て、1952年東北大学経済学部(旧制)卒業。1956年東北大学経済学部講師。1963年プリンストン大学リサーチ・アソシエイト。1965年東京工業大学助教授、教授を歴任。1988年同定年退職。東京理科大学教授。2000年同退職。現在、東京工業大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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KAZOO
2
このシリーズは専門を問わない大学の先生の自伝です。日経新聞の私の履歴書よりも詳しく書かれていて学問的です。私は根岸隆先生のものに引き続いて、鈴木光男先生のこの自伝を読みました。鈴木先生は経済学のゲームの理論の日本における先駆者で、今は様々な先生の本が出版されていますが、私が学生のころはこの先生の書かれた本しかありませんでした。最初はこの分野に理解を示してくれる人が少なく苦労したことが書かれています。2013/06/04
葉
0
鈴木先生の自伝。岡田先生や武藤先生、船木先生などゲーム理論を学んだ人なら教科書はもっている人々の名前やナッシュとの囲碁話など、かなり面白い。ぜひとも講義を一度きいてみたい。2013/11/08