内容説明
「このまま、殺して…」。花火大会の夜、エクスタシーの頂点で冬香が発した言葉に誘われるまま、菊治は彼女の首を絞める。最愛の女を殺めた男。彼を待っていたのは、苛烈な取り調べと孤独な法廷闘争だった。故意か過失か、それとも愛の証しか。菊治が最後に受け入れた罪と罰とは?論理では測れぬエロスの深淵を問い詰めた文芸大作。感動の結末。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おいしゃん
46
上巻読み、しばらくいいかな…と思っていたが、続きが久しぶりに気になって下巻へ。冬香を殺したあとの裁判が話のメインとなる。完全なる第三者である、バーのママからの手紙が最後に出てくるが、女性から見た愛について強く考えさせられ、タイトルにも納得。著名な作品だけあり、やはり単なる官能小説ではなくホッとした。2018/01/07
りょうこ
43
上巻よりは何かしらの展開があったのでさっくり読めた。終始男性目線でのお話展開なので、ちょっと置いてけぼりを食らわされた感じがします。まぁもしかしたらこれが渡辺淳一ワールドなのか?このワールドはまだ私には理解不能(笑)豊悦好きだからまぁいっか..(笑)ただ、率直に感想を1点だけ言わせてもらえれば..『すごおい』のこの言葉のチョイスがなんか..キミワルイ。なぜただの凄い!がすごおいになるのだ?男性目線的にはすごおいが良のか?わっからーん!\( ˆoˆ )/2016/02/13
恋空
23
改めて読み返して、究極の愛の形をみたような気持ちで感動しました。いやらしさは無いです。冬香が羨ましいような気さえします。でも、そんな相手に出会ってしまったら、、幸せだけど怖いかな。2020/03/19
しょーくん@本棚再編中
21
★★★★★★☆☆☆☆愛とは何か?それを考えさせられる作品でした。前半は官能的な感じで進み、ある出来事を期に、倫理観を問う流れになります。私は、主人公のとった行動には理解できませんが、責めることもできない気がしました。きっと、愛し合う二人にしかわからない何かがあるからだと思います。2010/11/19
あさひ@WAKABA NO MIDORI TO...
18
かつて日本経済新聞に連載され、映画化もされた作品。ヒット小説を世に出した売れっ子作家の菊治と、一見控えめながら次第に彼の優しさに魅かれ激しい恋に落ちていく冬香との不倫の恋を描いた物語。渡辺さんお得意の官能作品なわけですが、同じようなからみのシーンの繰り返しでちょっとくどすぎるかな~といった印象。ずるずると嵌まり込んでいってしまう主人公菊治の気持ちもわからないでもないですが、もう少し控えめな表現にとどめておけば、作品全体の印象も人間ドラマ!って感じのかなり違ったものになっていたのかもしれませんね~。2011/05/21