内容説明
かつて隆盛を誇った新興宗教は、入信者を減らし、衰退の一途をたどっている。
著者は、毎年恒例のPL学園の花火が「地味に」なっていることから、日本の新興宗教の衰退を察知。
日本の新興宗教の衰退は、なにを意味するのか――。
本書は、世界と日本の宗教が衰退している現象を読み解きながら、
それを経済・資本主義とからめて宗教の未来を予測する。
共同体を解体しつくした資本主義は、宗教さえも解体し、どこへ行きつくか。
拠り所をなくした人はどうなっていくのか。
ポスト資本主義の社会を「宗教」から読み解く野心的な1冊。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
HANA
49
社会の世俗化による宗教の変遷を説いた一冊。既成宗教自体が危機に瀕している状況は依然読んだ『寺院消滅』によりわかっていたが、本書では新宗教や外国の状況なども取り入れたより幅広い視点から論じられている。高度成長と新宗教の関連は以前より説かれていたが、具体的な人数などの詳細なデーターを出されるとより説得力が増すな。ドイツの教会税とか初めて耳にしたし、それと信者の関係とか。ただ最後の結論部分に、論理の飛躍が見られるような気がする。それ以外の部分、信仰者の減少を現在の問題と捉えた部分等は非常に面白く読めた。2016/04/03
harass
41
KindleUnlimited.世界的に、既存の宗教の信者数が近年大きく減少している原因や今後などについて。高度成長期に大きく信者数を増やした創価学会などの近年の動向は、高度成長期の地域共同体の崩壊から、それらを補う疑似共同体としての役割が終わりつつあることの指摘。題名やテーマから読んでてちょっと疑問に思うところもあるが、経済学のよく聞く概念、スミスの神の見えざる手やマルクスの資本、資本家ではなく、資本自体が蓄積をする、などの考え方がユダヤキリスト教の影響そのものであるとの指摘が個人的に興味深かった。2025/10/21
rosetta
28
日本で近年新宗教が極端に信者を減らしている。それらは高度成長の時代に地方から都会に出てきた若い世代の孤立感を集団に結びつけることによって発展してきたが成長が終わると新たな信者を獲得できず高齢化が進むばかり。資本主義は自己目的的に蓄積を目指すがフロンティアをなくし市場が飽和した現代では成長の余地がなく必然的に資本主義も宗教も衰退するしかない。と言うのが作者の主張だと読んだけど合ってるかな?自分はジョン・レノンと同じく宗教がない世界を理想とする者である。2016年に書かれた本だが今はどちらに向かっている?2024/01/31
ヒデキ
19
タイトルにひかれて購入しました。新興宗教と言われる明治以降、戦後に出発した宗派の信者数の増加と減少から、キリスト教、イスラム教の動きまでを論じています。読んでいて思ったのが、著者の島田さんは、経済の流れから、宗教を論じようとされているようですが、旨く伝わってきてないように思えます。信仰についての考え方も書いて欲しかったなあと思ってしまいました。2020/02/27
tetsu
15
★2 どの宗教も信者が減っているとのこと。その原因を鋭く解説しているかというと、そうでもなく、資本主義との関連づけもよくわからず説得力がない。もっと衝撃的な内容を期待したがイマイチ。2016/12/28
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