内容説明
私立探偵のフィリップ・マーロウは、億万長者の娘シルヴィアの夫テリー・レノックスと知り合う。あり余る富に囲まれていながら、男はどこか暗い蔭を宿していた。何度か会って杯を重ねるうち、互いに友情を覚えはじめた二人。しかし、やがてレノックスは妻殺しの容疑をかけられ自殺を遂げてしまう。が、その裏には悲しくも奥深い真相が隠されていた……村上春樹の新訳で話題を呼んだ新時代の『長いお別れ』が文庫版で登場
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
525
以前に清水俊二訳(こちらの邦題は『長いお別れ』)で読んだので作品としては再読。随分印象が違うものだ。というより、本書の場合はチャンドラーを読んだのだが、同時に村上春樹の小説を読んだかのようでもある。節回しが春樹調なのだ(あたりまえか)。フィリップ・マーロウの印象もぐっと身近なものに感じられる。なにより、その抑えた情感が時として溢れてしまうところがいい。単なるタフガイではないのだ(前回はそんな風に受けとめていた)。まさに「武士は食わねど高楊枝」を地で行くかのようなマーロウ。この造型は唯一無二である。2023/04/14
Kircheis
491
★★★☆☆ チャンドラーの最高傑作。 お洒落で含蓄のある文体は芸術の域である。 個人的には序盤からオチが大体読めるし、もう少しコンパクトにまとめた方が良かったと感じるのでそこまで好きというわけではないが、古典文学として素晴らしいとは思う。それこそチャンドラーが意識していたと言われるヘミングウェイの作品と比べても引けはとらない気がする。 これまでの作品では基本的に格好いい男性像を体現していたマーロウが、本作では悩める泥臭い中年男性として描かれていて親近感を感じた。2022/10/01
おしゃべりメガネ
202
R・チャンドラー氏の作品は本作が初読みでした。しかも村上春樹さんが訳しているので、どこをどう読んでも村上春樹節が前面(全面?)に出ていて、原作者の文体や世界観が悪い意味ではなく、伝わりにくくなっていると感じました。村上さんが書いた少しソフトなハードボイルド小説のように捉えてしまいましたが、村上さんが書いているワケではなく、訳しているのでまどろっこしい?表現・文章は幾分控えめ?で読みづらくはないかと。しかし、肝心なハードボイルドな世界観が少し薄く感じてしまいましたが、オリジナルもこんな感じなんですかね?2010/11/10
小梅
183
チャンドラーの誕生日イベに合わせて読了しました。こんな文豪と同じ誕生日だなんて光栄だわ〜ハードボイルドな作品はあまり読まないのですが、とても良かったです。とにかくギムレットが飲んでみたくて仕方がないので近々何処かで飲んでみようと思ってます。本当のギムレットを♪( ´▽`)2015/07/22
しゅう
154
ハードボイルドの面白さが満載の一冊。友情、孤独、暴力、色恋に至るまで、その魅力が凝縮されている。マーロウのタフでありながらユーモアにあふれた会話も印象深い。実をいうと最初は、「これ、ちゃんと読了できるのかな?」と訝しむほど長く感じた。テリーとシルヴィアも早々に死んでしまうしね。でも、ウェイド夫妻との出会いから物語に引き込まれ、長さを感じさせない面白さが出てくる。そして、「さよならを言うのは、少しだけ死ぬことだ」という名台詞に至る。好きなキャラクターはリンダ。マーロウとの二人の関係も気になるところ。2026/08/17
-
- 電子書籍
- アニマルコミュニケーター・アネラのお仕…
-
- 電子書籍
- 大長編ドラえもん15 のび太の創世日記…
-
- 電子書籍
- まもって守護月天!(9) マッグガーデ…
-
- 電子書籍
- 10年後に後悔しない働き方 ベンチャー…
-
- 電子書籍
- 闇夜の義賊 武者とゆく(二) 講談社文庫




