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内容説明
キナコは、ネコです。ネコだけど、あたしの妹です。なのに、ママが、赤ちゃんが生まれるからって、キナコをおばあちゃんにあずけようって言いだした。あたしはそんなの絶対にヤダ! キナコを預けるくらいなら、赤ちゃんなんていらない! キナコはあたしが守るってきめた。キナコをおばあちゃんちに連れていかれないように、学校に連れてきて、倉庫に隠した。でも、キナコがどこかにいなくなっちゃった……。「ママのせいじゃん! ママがわるいんだよ。ママがキナコのこと、じゃまにしたから、赤ちゃんばっかりだいじにして。キナコが いなくなっちゃったのは、ママのせいだもん!」 いっぱいいっぱいどなって、わーって、ないた。「ごめん。ごめんね」 ママは、あたしを ぎゅってした。家族が増えることに対する戸惑いや葛藤を通じて、少しずつ成長していく女の子の物語。第39回日本児童文芸家協会賞受賞者による幼年童話です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
杏子
26
また、妹が生まれてお姉ちゃんになったので、という話。妹のように思ってるネコのキナコをしばらくおばあちゃんのところに預けるとママから言われて… 主人公の女の子がとった行動はちょっと考えなしだったかもしれないけど。妹もかわいいけど、ネコのキナコもおんなじにかわいいんだという、小さな女の子の気持ちはよくわかる。いい話だ!2016/06/20
anne@灯れ松明の火
26
南の南の新着棚で。先日読んだ『二日月』が良かったので。あれも、妹ができた話だった。作者は妹がいるのかな。お母さんに言われたから、猫のキナコを妹としてかわいがってきた「ゆま」。なのに、赤ちゃんが生まれるからキナコを1年も他所へ預けるというのはあんまりだ! ゆまは、キナコはどうなる? 小さな胸を痛めて、悩みゆまの心が丁寧に描かれている。2016/01/19
遠い日
24
お姉ちゃんになるって大変だ。幼稚園の頃に拾った猫のキナコのお姉ちゃんとして過ごしてきたゆまにふりかかる難題。ママが勝手に決めたそのことに、絶対納得できないゆま。いくら人間の赤ちゃんが生まれるからといって、簡単に片づけようとする問題に、ゆまは激怒する。子どもの揺れる心を丁寧に描いて、リアル。自分にとって、好き、だいじということを親の都合で取り上げられることへの正当な反発。思いがけない解決をみせるラストも鮮やか。2016/01/31
たまきら
19
かなり盛り沢山な展開でしたが、集中して聞いていました。オタマはロクとミツという2匹のネコの兄姉がいるので、感情が入ったようです。たまきは、キナコはだいじょうぶだけど、男の子のネコだったらやめたほうがいいのかな?(ロクにかなりやられてるので)とやはり体験を通して語ってました。最後にはニッコリ。2016/03/26
みつばちい
14
もうすぐ妹が産まれる。ママは「お姉ちゃんになるのよ」というけど、ずっと前から私は小さい頃拾った猫のキナコのお姉ちゃんなのに。おまけにしばらくキナコをおばあちゃんちにあずけるなんて言い出した。猫は赤ちゃんをかじったりしちゃうから、半年から一年くらい、って、、そんなの絶対やだ!私はこっそり学校にキナコを連れて行って、、 猫を連れてきた事を知った担任の先生の態度も、キナコが行方不明になった後徹夜して「探してください」ポスターを作った両親もとってもいい大人。うるっとしちゃいました。ラストもいい。ほっこり!2018/10/04