内容説明
近年、わが国では、クレジット・サラ金、商工ローン、ヤミ金などによる高利の貨幣貸し付けに伴う多重債務問題が深刻な社会問題になっている。古代から現代まで横行してきた高利貸し、その本性とは何か。古代の哲学者やその後の思想家は、高利についてどう考えたか。市場原理主義論者の利子論の狙いは何か。今後、多重債務問題を根本的になくすためには何が必要か。長年にわたってクレジット・サラ金被害者救済に携わってきた経験を踏まえて、高利貸しの本質と「強力な高利排撃」などの運動の必要性について、理論的に、そして情熱を込めて説き明かす。
目次
第1章 古代の哲学者は高利についてどう論じたか
第2章 高利貸しの諸形態―古代から現代まで
第3章 変化してきた利子についての考え方―ロック、スミス、マルクスの利子論について
第4章 高利貸しの本性とは何か
第5章 市場原理主義とクレジット・サラ金―「上限金利規制緩和・撤廃論」を批判する
第6章 高金利引き下げの現段階と課題
著者等紹介
鈴木久清[スズキキュウセイ]
1946年福島県に生まれる。1970年法政大学社会学部卒業。1970年代々木総合法律事務所(前身は松本善明法律事務所)に事務局員として入所。2009年に同法律事務所退所。この間、勤務の傍ら中野憲法会議、日本国民救援会渋谷支部、同中野支部の活動に参加。1984年の中野クレジット・サラ金問題対策協議会(通称中野こだまの会)結成に参加し、2009年まで相談員として活動。平和、人権、クレジット・サラ金問題などに関する小論文多数執筆。現在、フリーライター(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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