内容説明
沖縄に生きて、その風土を呼吸しながら創作を続けてきた八十九歳の作家の、初の私小説。時の移ろいを生き抜く老年の日常。妻の入院をきっかけに、出会ってきた人々の面影とともに、遠い記憶が鮮明に蘇り、いまを生きる私を、強く激しく揺り動かす――川端康成文学賞を受賞した表題作と新作『病棟の窓』を収録する作品集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ちゃっぴー
13
川端康成賞を受賞した表題作より「エントゥリアム」のほうが印象に残ります。沖縄からハワイに移民し70年の、余命いくばくもない祖父を訪ねていく孫。作中に「ホレホレ節」が出てくるが、この曲を知っているだけに思わずリズムに乗せて口ずさんでしまいます。移民一世の苦労がしのばれます。「ホレホレ」とはサトウキビの枯葉を剥ぐことだったんですね。2015/11/19
信兵衛
13
昨今では“私小説”は珍しく、沖縄を舞台にした短編集は嬉しいもの。 表題の「レール」とは、那覇市内のモノレール“ゆいレール”のことです。2015/09/25
ヨノスケ
12
大城立裕さんによる沖縄を舞台にした短編集である。前半の2編は私小説になっている。全体的に沖縄ならではの方言や風習がそこかしこに出てきて、とても興味深かった。中でも孫がハワイに招かれる「エントゥリアム」は郷愁を味わえ、とても印象に残るものである。本書は地元出身の作家さんならではの本物の沖縄の風土と暮らしが息づく作品であった。2022/07/30
みさ
6
確か、私の母校の校歌も大城氏が作詞をしたと思うのだけれど…まぁ、沖縄の人間なので、出てくる固有名詞への違和感もなくしっかり理解できた。巫女(ユタ)の話が興味深かった。大城氏は沖縄初の芥川賞作家でもあるので、機会があればまた読んでみたい。2018/03/08
言葉
5
沖縄のことが良くわかる本 て、何かで見て読みました。観光でしか行ったことなくて、そんなイメージしか無かったんだけども。向こうの人と話してると温かくも時々冷たいなとちょっとだけ思ったりしたことがなんとなくわかるような気がする本でした。私小説の2編はちょっと重くて突然生活が変わることは誰にでも簡単に起こるって頭に浮かんで怖かった。「まだか」はイラッとした。「天女の幽霊」が一番好き・・・かな?2015/11/09




