内容説明
著者の歴史観をぎやまんの鏡に託したライフワーク
秀吉への貢ぎ物としてポルトガルから渡来したぎやまんの手鏡が、於祢やお茶々、お江、尾形光琳や赤穂義士らの心模様を写し出す――。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ソーダポップ
29
豊臣時代から江戸時代の終幕までを、その手鏡が語り手となって描く日本の近世物語。ただ歴史を語るだけなら第三者視点で描けば簡単なのだが、語り手をぎやまんの手鏡したことによって、誰にも見せない当事者の素顔、生々しい感情を聞きしることが出来る、という点が本作の妙であろうか。描かれているのは、豊臣時代から江戸の終幕まで。華やかな時代から財政困窮を経て社会の変転の時という流れであったことを思うと、戦後の高度成長期からバブル崩壊を経て混迷の現在を思わずにはいられなかった。違った視点から見られた良い著書でした。2024/02/04
のんちゃん
13
太閤秀吉への貢ぎ物としてポルトガルからやって来たぎやまんの手鏡が、その後百年以上に渡り、日本の歴史を映していく物語。手鏡が人格を持ち、その目を通して歴史が語られていく。その手鏡が渡っていく人々が豪華で多彩だ。秀吉の正室於祢、愛妾茶々、その妹お江、そのお江と敵対した春日局、変わり処としては、討ち入りに加わらなかった赤穂の家臣や絵島生島事件の絵島など等。大河ドラマや各種時代劇に描かれたその人々の様が、もっと醜悪な面を加味して書かれている事が興味深かった。その後の時代も続編で刊行されているので是非読みたい。2017/10/29
サンディK32
10
ながらく積読していた北原さんの遺作、遂に頁を開く事に… 嬉しいけど怖い、辛い(汗)2017/08/15
ベローチェのひととき
3
於祢、淀君、お江についてはある程度予備知識があったのでなんとなくわかった気になったが、光琳や大奥の話については、文字を追っただけで終わってしまった様な気がする。背景を含めて、よくこれだけの長い期間の物語を描けたなと感心してしまった。2018/01/06
大阪のきんちゃん
3
北原亜以子さん、慶次郎縁側日記シリーズ(特に始めの方)がとても良かったので、これにも手を出した。何か、社会科の副読本みたい。引き続き、続編の「あこがれ」を読みます。2016/10/02
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