内容説明
かつて、沖縄の美ら海は血に染まっていた。1945年3月26日からおよそ90日間。非戦闘員であるはずの「ひめゆり学園」の320余名は日米両軍が激突する戦場へ動員され、13歳から19歳までの227名が死亡した。“人間が人間でなくなっていく”戦場での体験を語り続ける宮城喜久子。記録映像を通じて沖縄戦の実相を伝えていく中村文子。2人のひめゆりの半生から沖縄戦、そして“戦後日本と沖縄”の実態に大宅賞作家が迫る!!
カバー写真(C)NOBUAKI SUMIDA/SEBUN PHOTO/amanaimages
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
チェブラリー
2
戦中戦後の沖縄の苦しみが、ここに書かれている。2010/07/25
のんすた
1
戦時もの第三弾。日本という国を考える時、沖縄を考えなければならない。唯一の本土戦。ひめゆり学徒隊の導入経緯。教育と政治の位置関係の有るべき姿。日本は戦前に戻りつつある2010/08/28
Koji
0
知っておかないといけないこと。自分で考えないといけないこと。2014/11/24
あきら
0
同じ著者の「毒蛇」を読んだとき、ものすごいスケールのルポルタージュだな!と思ったけど、この本もすごい内容量。もちろん言わずと知れたひめゆり学徒隊のルポルタージュですが、ひめゆりを通した戦前からそして現代に至るまでの沖縄の問題や内地との差、政治問題などが書かれている。沖縄の人たちが「沖縄は忘れられた」と、言う意味が読むとよくわかる。沖縄と内地との温度差。沖縄の友人がよく言う。ひめゆり学徒隊生存者で、その悲惨さを後世に残さんと尽力を尽くしている中村文子さんと宮城喜久子さんはご健在だ。そしてこの本が世にでことを2012/12/20
t_hirosaki(t_hirosaki)
0
戦時中は国を挙げて頭がおかしかったらしい。そんな中で佐藤優の解説にあったマトモな軍人の話を聞くに付け、少し救われた気持ちになる。で実はこの本を読んでもあまり感慨のようなものはなかった。宮城喜久子さんの体験のくだりでは恐ろしいものを感じたが、やはり、どうしても平和とか基地とか言われても縁遠いものに感じてしまう。今がどれだけ幸せなのか、自分の生活から平和がなくなるまで気付かないのかも知れない。それが無くしてからでは遅いことくらいは解るにしても。でもやっぱり、まだちょっと、実感としては解らない。2011/08/30