内容説明
かつて、沖縄の美ら海は血に染まっていた。1945年3月26日からおよそ90日間。非戦闘員であるはずの「ひめゆり学園」の320余名は日米両軍が激突する戦場へ動員され、13歳から19歳までの227名が死亡した。“人間が人間でなくなっていく”戦場での体験を語り続ける宮城喜久子。記録映像を通じて沖縄戦の実相を伝えていく中村文子。2人のひめゆりの半生から沖縄戦、そして“戦後日本と沖縄”の実態に大宅賞作家が迫る!!
カバー写真(C)NOBUAKI SUMIDA/SEBUN PHOTO/amanaimages
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
二人娘の父
11
ひめゆり学徒隊に関わる2人の活動を縦軸にして、沖縄戦後史のあれこれを絡めた歴史読み物。著者は存じ上げなかったが、割合しっかりした内容で読み応えあり。残念なのは2002年までの記録なので、その後については自分で補足が必要だ。最も印象的なのは「ひめゆり」の商品化・美談消費の凄まじさだ。最近観た「ひめゆりの塔」関連の、女子学徒隊の描き方の罪深さを思い知る。宮城喜久子さんの著書はNHKラジオで池間夏海さんが朗読していた。とても良かったので、アーカイブ化されると良いと思う。2025/08/26
marippe
3
「ひめゆり学徒隊」の生存者宮城喜久子氏と、「1フィート運動の会」事務局長を務めた中村文子氏の戦中戦後の姿を描くことで、「沖縄の戦後史」に迫った本書。 高校の修学旅行で沖縄へ行った時、宮城さんの講和を拝聴した。学徒隊として看護活動に従事した時「ウジ虫が人間を食べる音」を聞いた、と本書にもあったが、その話を講和でお聞きして衝撃を受けた記憶がある。 解説で、お2人の自分史を「ステレオタイプな左翼的反戦平和の物語に回収していない」ところが本書の魅力、と佐藤優氏が書いているが、本当にそう思う。定期的に再読したい。2025/07/31
チェブラリー
3
戦中戦後の沖縄の苦しみが、ここに書かれている。2010/07/25
のんすた
2
戦時もの第三弾。日本という国を考える時、沖縄を考えなければならない。唯一の本土戦。ひめゆり学徒隊の導入経緯。教育と政治の位置関係の有るべき姿。日本は戦前に戻りつつある2010/08/28
Shu
1
とても良い本でした。沖縄と内地の温度差や戦争を経験した沖縄の方の思い、また基地に関する問題やしがらみなど非常に勉強になりました。2020/01/16




