新潮文庫<br> じゃじゃ馬ならし・空騒ぎ

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新潮文庫
じゃじゃ馬ならし・空騒ぎ

  • ISBN:9784102020098

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内容説明

美人だが、手におえないじゃじゃ馬むすめカタリーナが、男らしいペトルーキオーの機知と勇気にかかって、ついに可愛い世話女房に変身──。陽気な恋のかけひきを展開する『じゃじゃ馬ならし』。青年貴族クローディオーと知事の娘ヒーローのめでたい婚礼の前夜、彼女に横恋慕するドン・ジョンの奸計(かんけい)から大騒動がまきおこる『空騒ぎ』。明るい情熱と機知の横溢する喜劇の傑作2編を収録。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

340
(感想は「じゃじゃ馬ならし」のみ)本作はシェイクスピアの習作時代に書かれ、上演されたものであるらしい。悲劇と違って、シェイクスピアの喜劇にはあまり馴染みがないのだが、後の(とは言ってもわずか2,3年後なのだが)「夏の夜の夢」に見られるような弾けるばかりの舞台と比べると、地味な印象は否めない。現代の我々にとっては、メインプロット(ペトルーキオーによるカタリーナのじゃじゃ馬ならし)にそもそも無理を感じるし、サブプロットもまたお座なりな印象が残る。さらには、これを劇中劇に仕立てた意図も曖昧なままだ。2018/09/05

優希

124
シェイクスピアの喜劇が2本。珍しく悲劇要素はありません。じゃじゃ馬が淑女になったり、恋の三角関係が描かれたりと、陽気な恋に横恋慕と明るい情熱が見受けられました。2作ともドタバタコメディの色が見えますが、最後は落ち着くところに落ち着くのがいいですね。悲劇を描くと右に出る者はいないというイメージのシェイクスピアですが、このような明るい作品も面白くて、戯曲作家としての幅の広さを感じずにはいられません。2017/01/16

紅はこべ

110
「空騒ぎ」反発し合う男女が恋に落ちる恋愛ものの原型か。ベアトリスはエリザベス・ベネットの先輩。ケネス・ブラナーとエマ・トンプソンの映画は良かった。ベネディックに「クローディオを殺して」と迫るエマ・トンプソン、圧倒的迫力だった。「じゃじゃ馬ならし」 「ヴェニスの商人」と並んで、現在上演するのに色々問題がある作品。以前何かの番組でリュートの実物が紹介されて、これなら女性が男性の頭を殴れると思った。カタリーナは絶対そのままの方が魅力的だよ。ペトルーキオーは浮気する可能性大。2017/07/10

syaori

73
初期と中期の喜劇を収録。どちらも恋人たちの駆け引きや行き違い、それが大団円へと収束してゆく様がとにかく楽しく、解題で指摘されるような矛盾や問題点などもありますが、それらを補って余りある物語や登場人物たちの勢いと魅力に大いに劇を享受しました。また二作並べることで、『じゃじゃ馬ならし』では劇の勢いに振り回されがちな印象だったのが『空騒ぎ』ではその勢いを殺さずに登場人物たちの役割や出来事を巧みに組み立てているというように、作者の成長も感じられるよう。機知と自立心に富んだベアトリスが魅力的な『空騒ぎ』が大変好き。2021/12/13

優希

58
明るくて楽しい喜劇でした。悲劇要素がないのがシェイクスピア作品にしては珍しいと思います。陽気な恋の駆け引きにめでたい婚礼の前夜の横恋慕。もう読んでて微笑みが止まりませんでした。こういうシェイクスピアも良いですね。2022/12/27

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