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内容説明
社会構造の激変によって、人々を強くつなぎとめていたかつての血縁や地縁をベースにしたコミュニティの機能は衰退し、いまや個人はネットと現実の間に頼りなく浮かぶような孤独な存在になってしまった。この孤独が病理的な色彩を濃くしていけば、まぎれもない病になってしまう。これを防いだり、癒したりするにはどうすればよいのだろうか。気鋭の精神科医が現代日本人を悩ます孤独とその寂しさの正体に迫る。【目次】はじめに/第一章 「孤独病」の時代/第二章 「孤独病」の構造/第三章 人を「孤独病」に追い込む思考習慣/第四章 「孤独病」、その暴走の果て/第五章 「孤独病」を癒す処方箋/おわりに
目次
はじめに
第一章 「孤独病」の時代
第二章 「孤独病」の構造
第三章 人を「孤独病」に追い込む思考習慣
第四章 「孤独病」、その暴走の果て
第五章 「孤独病」を癒す処方箋
おわりに
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
香菜子(かなこ・Kanako)
37
孤独病 寂しい日本人の正体。片田珠美先生の著書。孤独病に侵されている日本人は多いと思う。承認欲求や自己顕示欲求を満たしたいのは孤独病が根底にある。人と人との縁や人間関係が希薄になった孤立無援な孤独社会。孤独を満たしたいから、寂しいから、承認欲求や自己顕示欲求を満たすための言動をしてしまう。片田珠美先生による日本社会への警鐘を鳴らす良書です。2018/11/11
ともとも
31
事例をもとに、リアルであり、はた迷惑でもあり、その一方で人は一人では生きられない寂しい存在で、だからこそ、そういったことをしてしまうのか?ある意味哀れなものなのかもしれななどと感じてしまいました。例え、孤独でも、ある程度の距離感と、自分や周りを偽らず、自分らしく、周りに迷惑をかけずに、それを満喫して生きていきたいということを考えさせられてしまいました。2016/12/02
Kei
14
セルフネグレクト-普通の生活を維持していくための意欲や能力を喪失し、自分の健康や安全を損なうこと(30頁)。自分さがしのように自我を見つめ、それを掘り下げていくことはある程度は必要にせよ、ちょっと間違えると「何もない自分」という底なしの孤独にはまり込んでしまう危険性をはらんでいることがわかる(52頁)。内面を掘り下げていく自我のあり方は、商業資本主義が台頭し、市民社会が出現してくる社会構造の劇的な変化のなかで新しく出てきたものである(54頁)。万能感にあふれた社会は、能力には限界があるという当たり前のこと2016/10/08
rokoroko
10
目次をみて[そう書いてあるだろうな」と思うと書いてある本2016/09/17
ダンボー1号
7
戦後70年の平和が家族や地域のコミュニティの崩壊を招いた。ネットの普及で社会に流通する情報量が爆発的に増えた。人類が30万年かかって蓄積した情報量に匹敵する量がこの3年で生産されている。(ホンマデッか)そうだ。個々の発信する情報が過多になる一方、消費する情報は昔と変わらない。皆おしゃべりで聞き役がいない。空気を読むこと求められ「嫌われないいい人」であろうとして孤独に陥る。各論理解共感できるところもあるが、中には考えようだろう・・とツッコミたくなることも多い。片田さんは少し前の香山さん並に刊行ペース早い。2015/11/21