内容説明
徳川家康の治世、八王子には千人同心と呼ばれる半士半農の郷士たちがいた。風一も、そんな家に生まれ畑仕事に精を出す17歳の少年だった。だが、大久保長安が没し、その資産に目をつけた幕府の策謀が、風一の前途に暗い影を落としてゆく。長安の直轄家臣団と千人同心が反目。そのあげく父が風一の幼なじみに惨殺されて…。友情と別離、そして悲運。苛烈な運命に翻弄されながら風一は成長してゆく。万感胸に迫る時代長編。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
朱音
3
武田の旧家臣で現在は半士半農、どちらかといえば農寄りな主人公とその幼馴染たちの成長記、ともいえる。元・武田の家臣だけあって風・林・火・山のつく名前を持つ4人(+1、そしてもう+1)が事件(?)の人物像もとてもいい。間にはさまれる甲州弁がまた味があるんだと思う。時代物の戦い描写はわかりにくいものかあっさりしたものが多いのだが絵が浮かんでくるような筆力はさすがだと思う。2010/02/02
ユウティ
2
この人って時代小説もおもしろいんだ。いやいや強すぎでしょうとか突っ込みどころはあるのに、なんとも言えず美しい物語だった。悲しいといえば悲しい幼なじみ6人が、この物語にあってはそうではない。それぞれに清々しい生き方をしている。感動して号泣するような話ではなく静かに心に響くお話。また忘れた頃に読みたいなあ。2013/11/14
ぱぶ
1
筆者にしては地味な青春時代劇。ただ戦闘描写がかなり良い。刀・槍・体術を融通無碍に使っている2012/08/03
月峰@Strikes BackⅥ
1
少年が大人へと成長していく様子がうまく表現されてたと思います2009/05/05
もっち
0
林牙と火拾の対決に涙2009/04/04