内容説明
一九五一年頃からその存在が噂されていたヒトラーの秘密文書。アメリカ合衆国の国立公文書館から発見された口述タイプ原稿には『わが闘争』に続くヒトラーの特殊な思想が生々しく綴られていた。激しく粗野な言葉で語られた、その外交政策から垣間見られる狂信性や残虐性は、いまだ戦争の絶えない現代の闇を照射し、ネオ・ファシズムの問題をあぶりだす。今こそ読まれるべき衝撃の書。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
印度 洋一郎
4
「続」という邦題だが、実際は未発表の草稿を研究者がまとめたもの。内容はお馴染みのヒトラー節で、「民族の発展には土地が必要」「民族の繁栄は闘争から」「混血は民族を弱体化させる」など。目新しいのは、アメリカの脅威に言及していることと、イタリアとの同盟の重要性を力説していること。この草稿の口述当時、ドイツは南チロルの領有を巡ってイタリアと対立していたが、これに関しては何となく話をはぐらかしながら、歯切れも悪く論旨を展開しているのが、らしくない。これは「我が闘争」もそうだが、とにかく文体が独特で読み難い。2012/09/18
Ryoma Okamura
1
ここ十年間で、子どもを加えたら、南ティロールのドイツ人の数に匹敵するだろう。この事実についても、彼らは沈黙したままである。彼らは移住を勧める。シュトレーゼマン氏のごとき国民的市民は移住率の向上を外交政策の顕著な成果と考えている。そうなるとドイツは、南ティロールのドイツ住民数ほどの人数を四年ごとに失うわけである。彼らは避妊と堕胎によって、南ティロール内でのドイツ人に倍する人間を毎年殺している。その連中が、外国でのドイツ人の利益を語る道徳的権利は自分にある、と自認しているのである(p.303)。2023/05/15
shosho
1
ドイツや周辺諸国の状況や外交関係について論じ、同盟可能性について述べられているが、歴史に疎く理解するのは難しい。そして例のごとく読みづらい。ドイツや周辺諸国の情勢を都合よく考え、自らの主張に沿うように粉飾して論を組み立てていたことが分かった気がした。2021/10/27
ymazda1
1
てっきりトンデモ本だと思ったけど、いちおうは偽書ではなくて、正真正銘の彼の口述筆記ってことで間違いないんかな・・・隣国との関係性に特化した文章ということで、それなりに気楽に読めた・・・統一ドイツの旧東西の経済格差はいまだ解消されていないらしいけど、南ドイツの通史的なものに、あらためて興味を覚えた一冊だった。
Shinsuke Mutsukura
0
ドイツも日本と同じで周りにロクな国が無いから、こういう状況になったんだと思います。地政学的に悲惨な状態なんですよね・・・。2015/06/30
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