内容説明
勝算乏しき戦争になぜ突入していったのか? 泥沼化する日中戦争のなか、三国同盟締結、南部仏印進駐へと政策展開する日本。石油禁輸の制裁を受けながらも日本側が提出した中立化拒否の回答は、悲劇へのポイント・オブ・ノーリターンであった。独ソ戦勃発、ハル・ノート受領後の交渉など、局面を変えるチャンスはなぜ生かされなかったのか。アメリカとの対決回避の選択肢が次々と消えていく過程を厖大な資料から明らかにした労作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
BLACK無糖好き
5
下巻は仏印中立化提案から幻の首脳会談、近衛退陣から東条内閣と日米交渉、暫定協定案、ハル・ノートを経て開戦へと進む過程が丹念に辿られ、無謀な日米開戦ヘ突き進みます。(近衛がテロ対策として血盟団の井上日召をボディガードにしていたのはドン引きでしたが(^^;;。) 最後に著者は論点を二つに絞ります。一つは昭和天皇は憲法上、君主として開戦案を拒否できなかったのかどうか。二つには拒否した場合、クーデターは避けることができなかったのかどうか(p299)。ここで展開される考察はなかなか興味深いものがありました。2015/07/31
大道寺
2
下巻は1941年後半の日米交渉が中心に扱われる。こういう大変な責任を負う仕事はしたくないねと思った。私だったら米国に勝てるわけないでしょって身内には愚痴りながら公式の場では色々面倒くさくなって開戦了承しちゃうと思うので。そういう方向から見て、無責任とか一貫性がないとか言われてる指導者たちに「わかるわー」とちょっと共感しながら読んでたところはある。2022/08/12
スイカマル
1
難解。とりあえず読み進めたが、時間がかかりすぎて前後がぐちゃぐちゃになった。全く理解できていない。2014/09/01