創元推理文庫<br> 密室の鎮魂歌

個数:1
紙書籍版価格
¥880
  • 電子書籍
  • Reader

創元推理文庫
密室の鎮魂歌

  • 著者名:岸田るり子【著】
  • 価格 ¥753(本体¥685)
  • 東京創元社(2016/01発売)
  • ポイント 6pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784488476014

ファイル: /

内容説明

世界的に成功した、ある女流画家の個展会場で、『汝、レクイエムを聴け』という作品を見た女が、悲鳴をあげて失神した。失踪した自分の夫の居場所をこの画家が知っているにちがいない、というのが彼女の不可解な主張だった。しかし、画家と失踪した男に接点はなかった。五年前の失踪事件は謎に満ちていた。そして五年後の今、ふたたびその失踪事件の現場だった家で事件が起きる。今度は密室殺人事件。さらに密室殺人は続く。問題の絵に隠された驚くべき真実! 魅力的な謎といくつもの密室に彩られた第14回鮎川哲也賞受賞の傑作本格ミステリ。/解説=村上貴史

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

夜間飛行

80
初めにカタコンブを描いた絵が強く印象づけられる。無数のドクロに囲まれ、臙脂色の椅子に座る骸骨が旗を持っている絵。その旗の図柄が失踪した男の刺青と同じなのはなぜか? こういう謎の出し方は感覚に訴えてくる。この小説には常に女性の目線があって、そのひりひりするような切実さが新鮮だった。特に女性が女性を見る時の共感と反感の混じり合った視線は、男である私にとって興味深いものだった。カタコンブの絵は事件の真相とどう繋がっていくのか。密室などロジカルな部分もしっかりしていて、心理的な謎とバランスよく組み合わされている。2018/12/29

ゆのん

58
【kindle】やっぱり密室モノは面白い。そしてこれでもかと言わんばかりに密室に次ぐ密室。薄っぺらい女の友情、自分さえ幸せなら良いという自己中心的な思考は怖ろしい。2732019/09/13

アーユルヴェーダ@五郎丸 進

22
中盤だれ目線で話してるの?ってなるけどそれ以外は完璧。 結局は女の醜い争いと同性愛者の嫉妬、プロットも周到に考え抜かれていて連続密室事件も巧みで読みやすかった。2015/08/01

シン

18
B評価。 してやられた。 あんまり好きな設定ではなかったがサイン本だったから購入。 実際あんまり面白い流れではなかったが、文章が綺麗なためか、やっぱり続きが気になるのか妙にさくさく読めた。 正直この発想はなかった。 伏線の数もけっこう多かったのに無念。 「愛情なんて、美しい幻想で彩られていなければ維持できないものよ。そんなことをしたって失望するだけだわ。愛する人にも自分にも。人間なんて弱いものよ」2017/02/27

eirianda

13
Kindle Unlimitedで初読み。本格ミステリは苦手で感情移入しにくい印象なのだけど、設定(フランス、関西、絵画、商業デザイン……)自分のバックグラウンドを辿るかのような設定と心情!に驚き一気読みしてしまった。パスティスとかゲイのアヴェニュとか小ネタに、いや〜世間って狭いなと(小説の感想か?)思いました。著者の経歴見て、ああ、私よりずっと文化の間を浮遊流動している人なのだと、他の作品も興味湧きました。ルメートルみたいな超エグいのも書いて欲しい……って思うのは私だけか。夏はやっぱりパスティス!2017/02/24

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/438949
  • ご注意事項