- ホーム
- > 電子書籍
- > 絵本・児童書・YA・学習
内容説明
この本に描かれた世界は、いまの子どもたちをとりまくものとはあまりにも違う。思えば、この本を読む子どもたちは、これからの人生のなかで、異なる環境に生きてきて、異なる体験をしてきた異なる発想の人たちとつきあい、仲良くしていくことが多くあるのではないかと思う。そして人間と動物の関係についても、この本からなにかを感じとることができればと願っている。――<訳者あとがきより>
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
chiaki
29
ビリグじいさんの『飛ぶオオカミ』の話から、すっかりオオカミに魅了されたチェンジェンは、好奇心に任せオオカミの赤ん坊を捕まえる。しかし、母狼と引き裂いてしまったばかりでなくオオカミとしての魂、生きる尊厳…チェンジェンは小狼の全てを奪ってしまったことに気付き、自らの愚かさを悔いる苦悩の日々が続く。生き物全てがそれぞれの役割を担い連鎖関係を持って蒙草原を守っているにも関わらず、その連鎖を掟を知らぬよそ者たちがオオカミ狩りをすることによって脅かす。身勝手極まりない人間の強欲さが招いた結末に涙が止まらない。2022/05/27
ばしちゃん
2
これは良い本です。ゼヒ子どもさんが読んだらいいと思います!2015/06/14
紅花
1
娘一人読み2016/06/27
アリスに恋するうさぎ
1
オオカミに魅了された少年が自分の思いだけで突き進んでしまう。野生のオオカミ(特にその地方では神とされている)を憧れのもとに赤ちゃんを捕まえて飼い始める。野生のオオカミが一筋縄で飼えるわけもなく、少年はオオカミと一緒にいたい一心で悲劇へと進んでいく。人間ってこわいと思う。自分がオオカミと離れたくないからといって、どんどんオオカミにとって悪い方へ悪い方へと向かっていく。ラストで自分で気づきのポイントがあったからよかったが、切な過ぎる話でした。2012/11/12
dumpty
1
オオカミに敬意を払いながらも、行ったことは大変残酷。下放された一時暮らしだからできたこと、行動するよりも頭で考える学者肌の故なのか。その大地で生きるビリグじいさんの言葉が思い。漢民族とモンゴル人の対立の深さに納得。力強い挿絵もナイスです。2011/05/17