内容説明
【カラー口絵付】人と犬との絆を描く、珠玉の全7編収録。その娘と犬は運命の出会いを果たした。両者の間には何人たりとも立ち入れなかった「トイ・プードル」。亡き妻が残した雑種の犬が、ある日拾ってきたのはイリオモテヤマネコの子供だった「ミックス」。視力を失い、ますます偏屈になった小説家。唯一逆らえない姉が盲導犬を連れてきた「ラブラドール・レトリーバー」。母犬に噛まれて醜い顔になった犬。だが、その笑顔は周りの人々を幸せにした「バセット・ハウンド」。不治の病に苦しむ犬。その姿に心を痛めた家族が、ついに苦渋の決断を下した「フラットコーテッド・レトリーバー」。全てを失い、命を絶とうとしていた男。彼の前に一匹の捨て犬が現れた「フレンチ・ブルドッグ」。愛犬を亡くし悲しみに暮れる男。思い出の森の中で、亡き犬たちと幻想的に邂逅する「バーニーズ・マウンテン・ドッグ ―魂の伴侶―」(書き下ろし)。犬を愛するすべての人へ捧げる書き下ろし巻頭詩「いつもそばにいるよ」も必見。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
461
犬と人間の交流を描いた7つの短篇+巻頭詩。詩は甘ったるくてあまり感心しないが、小説は犬を愛する人なら無条件に賛同してしまいそうな内容。およそ3万年前のある日、犬(あるいは狼というべきか)が人間の元にやってきた。それ以来の長い付き合いである。読書メーターでは猫の方が人気が高いようだが、私は犬も猫も派。さて、小説では7つの犬種が描かれるが、盲導犬のラブラドルを除いてはかならずしも犬種とお話との間に必然的なものがあるわけではない。その点はやや残念。2020/07/19
のっち♬
180
前回以上に喪失からの再生のモチーフが色濃く打ち出された6篇+α。表現も感情的で後半は著者の体験を辿るような感覚。無性の愛を与えてくれる存在というのは解釈に潜むエゴや表現に伴う陶酔を発散させ、ただ懸命に今を生きる力に転換させていく。彼にとって犬は楽しく生きていくための先生なのだ。一方で、運命だの可愛いだので飼うのは無責任だと釘を刺すのも忘れない。愛には責任が伴うのはどんな関係でも同じだ。だからこそ全うすれば後悔なく離別と向き合えるし、次のステップにも進める。ソウルメイトは新たな絆を縦横無尽に繋げていくのだ。2022/11/29
KAZOO
160
馳星周さんの「ソウルメイト」の続編です。もう最初からグッとくるものがあってこのようなものに弱い私の涙腺を刺激してくれます。ジジイ化がさらに進んでいるのでしょうかね。全7種の犬種にかかわる話が掲載されています。著者もかなりの犬派だと思われます。特に最後の「バーニーズ・マウンテンドッグ」の話が印象に残ります。著者自身の心象を書かれたものでしょう。2016/10/08
starbro
143
「ソウルメイト」に続いて本作を読みました。傷ついた人間と傷つけられた犬の7つの短編集、涙ぐみながら一気読みしました。どの話もベタですが、著者の犬に対する深い愛情、犬が与えてくれる無償の愛で、いずれも感涙作となっています。特にオススメは「トイ・プードル」と「フレンチ・ブルドッグ」の2作。犬好きでない方にも、「犬を飼いたいなぁ」と思わせる素敵な作品です。「魂の伴侶ソウルメイト」と言い切ってしまう著者は本当の犬好きなんでしょうネ。2015/11/23
Rin
99
【図書館】過去を憂い、未来を心配するのではなく、今この瞬間を精一杯生きて楽しむ。誰よりも大切な群れである家族を愛して、愛されて今日が何よりも大切。犬にとって大好きな人の笑顔、楽しい嬉しいという気持ちがどれだけ重要なのか。そしてそんな天使である犬たちと暮らす人の責任はなんなのか。犬の生涯を背負うだけの資格と、最後まで笑顔で過ごすという覚悟があってこそ家族になるべきと痛感。それは犬に限らずペット全てにいえること。前作同様に暖かく素敵な一冊。ペットの最後を悲しさで終わるのではなく次の命を幸せにしていきたいです。2016/11/20
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