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内容説明
経済人・金融関係者必携!日経新聞編集委員が描く、激動の20年史。
バブル崩壊、不良債権、追い貸し、合併というどん底の時代に、経営陣はいかに苦闘し、どう行動してきたのか? メガバンク誕生、長信銀の消滅、規制緩和、その背景・功罪とは? 私たちは今、どう銀行と付き合うべきか?
銀行とはどんなところで、何を考え、どう行動しているのか、よく知っている人は少ないのではないだろうか。「銀行業とは何か」「銀行は安全なのか」という疑問に答え、これから銀行とどう付き合うべきかを考えるヒントを提供するのが本書の狙いだ。
日本の大手銀行がバブル崩壊後にどのような運命をたどり、5大金融グループがどんな経緯で誕生したのか、その時代を象徴する経営者らが傾いた銀行の再生に奮闘する姿を描き出す。また、銀行の「新陳代謝」をテーマに、地方銀行・第2地方銀行と、インターネット銀行などの新設銀行を取り上げる。最後に、銀行業の 本質を、経済理論を紐解きながら解説し、銀行はどうあるべきか問題を提起する。(「はじめに」より)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
130
日経の記者による過去30年の日本の銀行を舞台にした事件をもとに、銀行史を通読できる本です。もともと専門が金融を中心とした分野なのでよくわかるように書かれています。ただ若干事件を中心にしているので、時代の後先が過去からの順番になっていないので、頭が若干こんがらかるかもしれません。それを除けば私はいい本であると感じました。記者ご本人は岩井克人先生のゼミ出身だと思います。2017/02/06
もりやまたけよし
16
金融関係の専門家の本だったらお堅い本のようながしますが、日経新聞の記者ということでできるだけわかりやすく銀行のこの20年の変遷が解説されています。特にこの記者が直接取材した大和銀行の記事はとてもいい。そのあとは取材をしている時間との関係か、解説記事が増えてきて、ちょっと堅苦しくなりました。2017/02/06
koji
11
金融を生業として30年超。本書で取り上げる95ー15年は、私にとってもその荒波に浸かり呑まれもがく20年でした。本書の主題は、97金融危機後の大改革が、日本の銀行に何をもたらしたかです。著者の主張は、日本は、「規制で縛る」日本型安全モデルの崩壊を欧米型金融モデルの後追いで凌いできたが、リーマン後、世界は逆に過去の日本型規制に習い始めたという「モデルの転換」が行われるという皮肉な現実の中で、もう一度銀行業の原点(利用者視点)を見つめ直すべきとするものです。首肯します。次作では著者の深掘りした提言を期待します2016/10/11
チェアー
9
銀行というビジネスの歴史やいま何が議論になっているかを俯瞰するにはいい本。ただ、どの章でも取り上げられている人物が生き生きしていないので、全体がビビッドにならない。その点では「ドキュメント」と名付けるのはどうかなあ。もっと、筆者の個人的な経験を書き込んだ方が理解されやすかったと思う。「経済学の宇宙」はすごく面白くて期待していただけに残念。2016/05/01
kit45104
6
現在のメガバンク体制は、バブル崩壊やグローバル化などに対応して、幾多の苦痛を伴う改革を経て誕生したわけですが、それをつぶさに描いた総体的な銀行史となっています。その歴史のはざまで起こった不正事件や解体、合併の裏話など、当事者の実名も多く登場し飽きることがありません。さらにこれからの銀行はどうあるべきかについても論じていて、銀行の本質に対する問題提起にもなっています。2016/02/22