内容説明
7代将軍の生母、月光院の生涯を描く長編。
5代将軍・綱吉が発した「生類憐れみの令」への恐怖で傷ついた小鳥を助けられず途方に暮れていた浅草の住職の娘・輝を救った若者は、後の6代将軍家宣だった。思いがけぬ成り行きが続いての大奥入り、7代将軍の生母・月光院となった輝。未曾有の大事件「絵島生島事件」に遭遇して、腹心の絵島を失うまでの激動の生涯を、丁寧な女性の心理描写で人気の藤原緋沙子が描く。
清らかに必死に生きた聡明な女性・月光院への共感と哀切が湧き上がる傑作長編。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
43
月光院を主人公にしているのに興味がわきました。しみじみとした美しい時代小説だと思います。 2022/02/25
yamakujira
5
絵島ではなく月光院を主人公にしていることに興味をそそられた。天英院と競うだけの権力志向もあっただろうに、月光院が無私無欲で聡明な女性として美化されすぎてる気がするし、主人公のキャラとしても、もっと我欲を見せてくれた方が魅力的なのになぁ。男たちの政争があっさりとして物足りないけれど、大奥という隔離された世界から見た距離感が伝わるようでもある。先代の愚行を改めた家宣にしたって、財政逼迫なのに、江戸城の改修とか軍船の建造とか鷹狩りの復活とかに散財してるのだから、決して名君じゃないよねぇ。 (★★★☆☆)2018/06/07
おさと
4
どろどろしてなくてよかった。2023/07/11
四谷/まい
2
月光院の人物像には諸説あるようだが本作は非常に美しく聡明なキャラクターとして描かれている。少しきれいすぎる気もしたが小説なのでこんな造形もいいかもしれない。大奥最大のスキャンダルとして有名な絵島生島事件の絵島が仕えていたのが月光院だった。作中で事件は冤罪となっているが実際はどうなのだろうか。様々な解釈や切り口で新しい印象をその都度感じられるのが時代小説の良いところかもしれない。2016/10/15
みちちゃん
1
読み終わり涙が止まらなかった。江島事件は、なんとなく知っていたがこれほどむごたらしいものだとわかった。権力の恐ろしさを思い知らされる。江島をはじめとして冤罪で刑を受けざるを得なかった人々1500人。どれほどの苦しみだったかと思う。しかし人を苦しめた人は自分もそれ以上のことを受けねばならなかっただろう。頼みとする江島もいなくなり、わが子である家継もわずか7歳で亡くなった月光院の悲しみははかりしれない。家宣・家継から吉宗へと政治が移る。万民のための政をしていた将軍がいたことにほっとする。2023/12/25




