秘密結社

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秘密結社

  • 著者名:綾部恒雄【著】
  • 価格 ¥990(本体¥900)
  • 講談社(2015/12発売)
  • ポイント 9pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784062920162

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内容説明

人間社会にあまねく存在する「秘密」。メンバー共通の利害と連帯感からなる「集団」。そこに加入するための「儀礼」。それらをあわせ持つ「秘密結社」の起源と実態を文化人類学の泰斗が解き明かす。アメリカ社会とK・K・K、暗殺教団と去勢教徒、幕末維新とフリーメーソン、モーツァルト作品に描かれた「秘儀」などのほか、「世界 秘密結社事典」を収録。(講談社学術文庫)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

山口透析鉄

22
いわゆる秘密結社の入門書として、文化人類学・社会学的な、色んなアプローチで取り上げられていますね。 人民寺院的な反社会的カルトや有名なフリーメーソン、シチリアンマフィア等、巻末にも世界各地の秘密結社の事例が解説されていて、興味深い本でした。 日本の事例とかも出てきますしね。中には、船戸与一氏の歴史小説に出てきたのとかも。 秘密の保持と共有、死と生を象徴するような儀式等、色々と特徴も見えますね。 入門としてのバランス、良いですね。2023/03/12

sibasiba

21
秘密結社といえばフリーメーソン。イメージ通り半分は世界的に有名なこの組織について。モーツァルトの魔笛とメーソンの秘儀の関連とか、意外な人物が会員だったり。被告が有罪の場合は必ず死罪の聖フェーメ団とかイランの義侠集団ルーティなんかが興味深かった。怖いのは旅人殺戮教徒のパンシガルと去勢教徒のスコプチ。それにしてもアメリカは本当にクラブが多い。文庫化の際に重複を割愛したらしいが、それでも重複が目についた。2014/05/14

HANA

9
秘密結社について各誌に書いた論文を集めた物。そのためか内容に一貫性が無いように感じられた。ただその分広範な範囲を扱うことが出来ている。特に冒頭の論文は秘密結社の概要としては非常にわかりやすい。大部分はやはりというかフリーメーソンに費やされているが、矢張り入社式については具体的にわからないまま。それにしても修験道やギリシャ文字クラブは秘密結社の範疇に入るのであろうか。2010/11/19

ひだりかわ

6
秘密結社という言葉に漠然とした憧れを感じていたけど、秘密結社と言ってもいろいろなものがあって面白い。一般社会とは別の価値観を得て相互承認するために秘密結社はあるのかなあと感じる。そういう意味でも、新たな価値観への転換として、イニシエーションに際しては死と再生のイメージが広く見られるということにはなるほどと思った。日本人としては普段あまり実感することはないけれど、世界歴史、文化に対して秘密結社の影響は大きかったのだなあと。本文でも指摘されている通り、今後ますますこういった結社の需要は増えていくのかな。2012/01/24

中島直人

5
世界的に見ると秘密結社的なコミュニティはむしろ一般的であり、怪しい特殊な存在とみる日本が例外という現実に驚く。正に、秘密というものが、人間存在そのものを理解する上で不可欠であることを改めて教えられた。 また、文明社会では公的な事柄が次第に秘密でなくなり、個人的な事柄がますます秘密になってきている、との指摘は、現代社会のSNS発展の裏側とも見え、人間の本質を考える上で非常に興味深い。2012/04/25

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