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内容説明
書斎の本を整理しているうちに「なぞなぞの本」の中に入りこんでしまったぽっぺん先生.なぞなぞを解かなければ,先にもすすめなけりゃ外にも出られない.ところがそのなぞ解きときたら,トンチやヘリクツばかり.おまけに出会うのは,奇想天外な動物ばかり.さて,どうなることやら.「ぽっぺん先生物語」の第1作.
目次
目 次
さて、そろそろはじめますか
ペリカンのくちばしには、なぜふくろがついているのでしょう。
タヌキ、クロブタ、ダチョウ、トガリネズミ。この中で、はなしのおもしろいどうぶつはどれでしょう。
カタツムリ、ミソサザイ、ワシ。この中で、にてもやいてもふかしても食べられないもの、それはいったいだれでしょう。
服がおふろにゆくとき、ポケットには何がはいっているでしょう。
イノシシの赤ん坊はなぜいつまでも眠れないのでしょう。
おもちゃかぼちゃは、ぜんぶで何種類あるでしょう。
少年はなぜピッコロをふいているのでしょう。その答えはハモニカを持っていないからです。
ぽっぺん先生の誕生日
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たつや
50
ぽっぺん先生シリーズの第一作になるようですね。突然、読んでいたなぞなぞの本の中に入り込んでしまい、脱出劇になる。ぽっぺん先生の名前の由来もここでわかる。タイトルも純粋に「ぽっぺん先生となぞなぞの本」でも良かったのでは?と思ってしまった。単純ですが、面白く読めました。2017/02/07
とよぽん
47
小川洋子さんのラジオ番組で取り上げられた本。1973年に出たので、人間なら中年真っ盛りというところ。それにしても、舟崎克彦さんが繰り出す奇想天外の物語の面白いこと! こんなに上質でピュアなユーモアとペーソスあふれる舟崎作品を、今まで知らなかったことが悔しい! この作品を読んだことは、私にとって大事件と言うべき出会いになった。2020/08/20
へくとぱすかる
36
荒川放水路、新葛西橋、関東大震災、ロブロ・フォン・マタチッチ……が出てくる異世界ファンタジーというのも珍しいだろう。ぽっぺん先生は38歳なのだが、小学5年のときに学童疎開をしていたのだから、おそらく想定している時代は40年以上過去ということになるだろう。そう思って読み終わったら、ラストに1973年の刊行とあった。なぞなぞをテーマに、中年のおじさんを主人公にした、舟崎版「不思議の国のアリス」という感じ。異世界なのに、どこまでも現実世界とつながっているみたいなところが、親しみがもてて楽しかった。2015/01/31
ワッピー
34
読書会準備のために重読。これまで意識してこなかったものの、中年独身・母親と同居・水虫の既往歴あり・突っかけ常用の生物学助教授・ぽっぺん先生の造形に驚愕。ここまでサエない設定もそうはありません。しかし、想定外の事態にも自分の常識で立ち向かい、一蹴されても矯められない強さは際立っています。なぞなぞの絵本に入り込んで濃いキャラたちと渡り合い、美少年の助けを得て、ようよう帰還できました。今回気になったのは『ぬけがら町』の郊外の風景描写でしょうか。穏やかな麦畑にそよぐ風や香りの爽やかさに癒やされました。おススメ!2024/02/29
ワッピー
25
子供のころからお気に入りの本。今見ても、ワッピー的には日本ファンタジーのマスターピースの1つだと信じています。ものぐさな生物学助教授ぽっぺん先生が、ふと思い立って父親から引き継いだ書斎の掃除から始まるふしぎな日曜日。先生が子供のころ愛読したなぞなぞの本に迷い込み、一癖ある各ページの登場人物たちと交わすやり取りのとぼけた味わいが気に入って文章まで真似したものでした。何とかなぞなぞを解いて最終頁を目指す先生を待ち受けていたのは・・・ちょっぴり妖しい気配も感じますが、静かで優しいラストに、今回も癒されました。2015/04/05