内容説明
慶長の役における蔚山城の戦いや露梁津の海戦での武功により、政重の名は全国に鳴り響いていた。美しく己の命を使い切れ――養父・長右衛門の遺した言葉を胸に、政重は数多の召し抱えの誘いを断り、「徳川どのに戦を挑み、武辺者の意地をまっとうしたい」と、宇喜多秀家の新座衆として天下分け目の合戦に臨むことを決意する! 武辺に生き、義に殉じた男の波瀾万丈の半生を描く戦国巨編。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
スー
22
31関ヶ原が熱かった!戦場に全てを賭ける石田三成と裏工作と根回しで必勝を期す徳川家康がぶつかる。政重と明石掃部と島津義弘との友情、穴山梅雪の敵討ちと戦場の華となった穴山武蔵守、戦場で敵となったが武辺者として認め合った井伊直政、宇喜多秀家と豪姫の夫婦愛どれも命懸けの中で育まれた絆はかっこ良くとても魅せられました。島津義弘は特に良かった、最後の関ヶ原で倒れた豊久や家臣の無念を晴らせず秀家との友情も果たせずと泣く所は胸熱でした。2021/02/26
emico
10
文庫本にて再読。これは後半がいいので、下巻はやはり話に夢中になりました。色々な想いがある関ヶ原。合戦が終わってもまだ戦いは終わってないと奔走する政重に、読みながら私も必死に食らいついて読んでました(笑)最後の一文というか、一首がこの小説の全てですね。この一首の為に読者も政重と駆け抜けたのですね。。。2015/07/15
yamakujira
8
ほとんど覚えてなかったから、再読した気分じゃないものの、やっぱりイマイチだった。朝鮮に渡ろうと、薩摩へ行こうといいけれど、戦国武将にしては安っぽいヒューマニズムに白けるばかり。いっそのこと正純との確執をテーマにしてくれればよかったのに。大衆娯楽時代小説と位置づければ、次々と巻きおこる事件とか、絹江や豪姫との恋物語とか、有名人をほどよく配した交遊関係とか、スピード感のある展開は飽きずに読めて救われる。でも、せっかくの素材を生かしきれずに失敗した創作料理みたいだった。 (★★★☆☆)2016/12/19
gonta19
8
新規購入ではなく、積読状態のもの。 2010/7/26~7/29 宇喜多秀家の新参衆として関ヶ原の戦いに挑む政重。戦の後は、秀家の助命、豊臣家の再興を願って、己を捨てて奔走する。義に生きる男の生き様は素晴らしい。タイトルは父・正信の書き付けの裏表紙にある「花ありて熱き時代は過ぎにけり ただゆくりなく生きて候」による。 本多といえば正信、正純親子が有名だが、こんな次男が居たとは。金沢には、本作で登場する大槍、敦盛のモデルとなった槍が「藩老本多蔵品館」にあるという。金沢を訪れるチャンスがあれば是非、行っ2010/07/29
蕭白
7
上下巻、一気読みでした。充実した時間が過ごせました。2023/03/29