PHP新書<br> 愛国ってなんだ - 民族・郷土・戦争

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愛国ってなんだ - 民族・郷土・戦争

  • ISBN:9784569827834

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内容説明

「本書対談を読めば、奥田氏が想像以上の『愛国的精神』の持ち主であることがわかってビックリするだろうし、私のほうは、安倍を支持するタカ派ではあるももの、ときおり奥田氏よりリベラルではないか、と思われる場面が散見されるだろう」……(「はじめに」より抜粋)安保法制をめぐるSEALDsのデモ活動は、日本社会に少なくない衝撃を与えた。彼らに対して新進気鋭の保守論客である古谷氏は、強い「違和感」と「嫉妬」を覚えた、という。為政者もSEALDsも、保守派もリベラルも、日本を大切に思う気持ちは変わらないはず。ならば、それぞれのいう「愛国」とはどういう意味か。本書は古谷氏の「愛国」と「普通」をめぐる論考、さらに古谷氏とSEALDs創設者の奥田愛基氏が、安保とアメリカ、変節する自民党、沖縄の苦悩、日本人と震災などをめぐって議論する対談から構成される。そこでみえてくるのは、いかにこの国において保守と革新が「ねじれて」いるか、ということだ。その一方、SEALDsを「普通の若者」という枠に押し込める言説のいかがわしさについても古谷氏は懐疑の目を向ける 「本書ではあらゆる場面で勝手に解釈され、鮮明になっていない概念に斜め後ろから光を当てた」(古谷)という批評性溢れる考察は、日本政治の右傾化を心配する人にも、SEALDsの活動に疑問をもつ人にも新鮮なものになるだろう。立場を越えた対話から生まれるどこにもない日本社会論。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

nbhd

19
人は見かけで判断してしまうもので、僕も古谷経衡さんのことを見かけで判断していた。去年、古谷さんがじつは実存濃厚な面白い人であることを知り、手にとる。感じたのは、氏の主張や歴史の記述よりも、ルポルタージュ描写の魅力だ。フジテレビデモのとか、臨場感すげぇな。何となく竹中労、な感触があった。Seals奥田さんとの対談では、メディアで「普通の若者」と表象された奥田さんを抉る「剥がし屋」の魅力を感じた。これも、竹中労、なかんじ。ってか、炊き出し活動で知られる奥田牧師が、Seals奥田さんの父親だと知ってへぇと驚いた2021/12/18

坊っちゃん

18
★★★★ 2015年刊。kindle unlimited。ネトウヨの存在を糾弾し、現在はウヨ界隈から離れた感のある著者。この本が出た頃の彼はどの辺のポジションにいたのかあまり詳しくないけれど。本書では『美しい国へ』から安倍晋三を「普通のおっさん」と結論づけてるのも面白いし、SEALDs(すでに懐かしい)の奥田愛基との対談も最後はリア充論にまで発展していて楽しい。これだけ筆も口も立つ人に逃げられたのは、ウヨ界隈としては相当な損失かと。著者の非リア充な半生も読ませます。(コメント:2020/05/21)2020/05/21

C-biscuit

15
図書館の新着コーナーに残っていたので読む。タイトルよりもSEALDsのことが書かれている本であり気になった。どういう若者たちななのだろうと。そういう意味では、対話型の本であるが、よく聞き出せていると感じる。聞き手もそうだが、普通でない若者達である。そう、普通とは何?のような哲学的な感じになってしまう。それでも、この二人の小さい時や青春時代の話は面白い。極端な人物なのだろう。自分は残念ながら政治を語れるレベルでもないし、学生の頃はなおさらであった。ただそれでも、安倍首相の美しい国へは一度読みたいと思った。2015/12/08

禿童子

7
リベラルから保守まで虹に例えると赤と紫の極に老人がいて、真ん中の黄緑の若者と青緑の若者がまったりと語る風情。この二人本当は仲良しなのでは?古谷によれば自分は「非リア充」、奥田は「リア充」なんだとか。古谷はリバタリアンというが民族主義の色を脱色したのか?奥田もパトリオティズムを自認するが、肝心の政治的な意見の違いがかき消されて、自分語りのお話しばかりで、争点はいったい何なのか?老人にはよく分かりませんでした(^_^;)。2016/01/30

しんたろう

6
草の根保守の古谷氏による安倍思想の分析と左翼の感情的・悪意的な安倍批判への反論と、アンチ安倍デモから彗星のごとく現れたシールズ奥田氏に対するディスカッションと分析があくまでも冷静に冷静に書かれた知的良書と思います。奥田氏のように自己確立には極めて恵まれた環境で育った人々の自由で制約のない行動を“ついに普通の若者が立ち上がった”と普通を強調する左翼勢力のいかがわしさを看破する古谷氏、見事!古谷vs奥田の対談は両者とも一切感情に走らないクールな知的対決です。すぐ怒って大きな声を出す政治家、見習ってください。2016/03/26

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