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内容説明
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水の波、音、弦の振動、光、電波…… 波の物理学は、「もの」(媒質)ではなく、「こと」がどのように起こるかに注目し、その中に目ざとく「こと」の秩序を見出した。波から生みだされた物理学や数学の概念の豊富さは、他を圧倒している。波の物理現象を俯瞰しながら、波という「こと」のしくみを覗いてみよう。(ブルーバックス・2007年11月刊)
目次
プロローグ
第1章 「こと」の伝播
第2章 弦の波
第3章 空気の波
第4章 水の波
第5章 光学装置と幾何光学
第6章 電磁場の波
第7章 光の量子論
第8章 波と放送
第9章 波と情報
第10章 波を使う医療
エピローグ
あとがき
参考になる情報
さくいん
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
HoneyBear
7
水の波、空気の波(音波)、電磁波(光もそう)など自然現象の規則性は、フーリエ変換などの数学ツールのおかげで理解し活用することが可能になる。この本は文章や挿絵と数式のバランスが非常に良い。高度なトピックはコラムになっているので興味に応じて読み飛ばせる。音は寒さで縮むから大気中で屈折するなど身近で面白い図解がある一方で、波動方程式などがコラムで詳しく説明されている。量子力学にも話が及ぶ。個人的にはCTスキャナの説明が面白かった。画像作成の現場でラドン変換、(逆)フーリエ変換などがどう活用されているのかを知る。2014/01/09
Matsui Kazuhiro
3
サブタイトルの「こと」を見る物理学 とはどういう意味だろうと思って読み始めたが,まえがきにある「砕けた波の廃棄物問題など聞いたことはない。これは波が「もの」ではなく「こと」であることを教えている」の一文で一気に惹きつけられた.内容は少し数式が多いが,色んな波の世界を垣間見れて良かった.#752015/06/06
yyhhyy
2
所謂海の浪から音波・電波まで。コラム以外は数式を使わず基本をイメージさせる。2024/02/04
しょ~や
2
波というと海を思い浮かべるが、実に幅広い概念なのだと感心してしまった。2014/11/07
はるゆう
2
分散関係の記述(p95-105)が分かりやすかった。海の波が砕けるのは、波長が長いほうが進行速度が速いから、ということになるのかな。群速度・位相速度のイメージも少しだけ抱くことができるようになった。「波動の場合の速度の奇妙さは、振幅最高の場所などのある特徴的な波形の移動を因果的な移動と錯覚するところから起こる」(p103)で、波そのものをちょっと勘違いして理解していたのを思い知った。群速度は、重なりのピークがピョンピョン飛び移っていくイメージなのかな。2012/06/11