内容説明
自民党ポスター「日本を,取り戻す.」に誤植あり! (誤)戻/(正)壊――その実,安倍政権主導ならずとも,いま,日本は壊れていっている.あれほどの大震災も,継続中の原発事故も忘れ,被災地への回帰を怠るこの状況をつくってきたのは,想像力の欠如という傲慢な現代の病理である.『図書』で大好評の連載エッセイを現代文庫に一括収録!
目次
目 次
ベートーヴェンを聴く夜
吉田秀和さんの言葉
ネット社会の闇
フクシマの壁
愛国の旗
少数者はどこにいる
正義の味方
フィクションと現実
灯台はどこを照らすのか
戦う演劇
二十代の墓標
西部劇における人生の汚点
星に願いを
人生の誤植
失われた隙間を求めて
禁じられた大人の遊び
非情の町、非情の国
踊れる平和が今
スリッパはどこへ行った
今、鼠小僧が盗むもの
二十一世紀の孤独
知性が人を人間にする
希望の灯を絶やさずに
孤独な狩人の嘆き
9・11から遠く離れて
傷を背負って前向きに
失われたプライドを求めて
今に活きる言葉
楽しく、くたびれた日
夜明け前
まともな日本を取り戻す〈講演〉
あとがき─窓を開けよう
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たっきー
11
「図書」の連載をまとめたエッセイ。今の政治やネット社会、マスコミなどに対しての不安や不満について、赤川さんがストレートな意見を述べている。想像力の欠如した社会になっている今の日本がこの先どうなっていくのかということに赤川さんは不安を感じつつ、権力にすり寄ることなく、自身の意見を表明していくことの大切さを力強く訴えている。今の政治の進め方、目指す方向に疑問をもつきっかけにもなると思う。この本はもっと多くの人に読んでもらいたい。「人間と人間の関係の基本は、相手の立場に立つこと」。赤川作品は温かい。2015/05/18
浅香山三郎
5
赤川次郎さんの随筆集。小説家としての赤川さんしか知らなかつたので、本書のやうな時評的なものを書かれたことが意外だつた。オペラ、クラシック音楽、文楽などを愛するやはらかい筆致と、いはば文化的なものを敵視する、或いは反知性的な風潮への厳しい指摘が同居する。スタンスは(戦争を経験した)小林信彦さんにも通ずるものがあるが、赤川さんの場合は、戦後生まれの世代から、現在の惨状を憂ひ、戦後社会の培つた価値を守らうといふメッセージが伝はつてくる。2016/04/26
はかせ
5
作者の最近の作を表すようなエッセイ。その硬骨ぶりは近年あまりおめにかからないものであり、おもわずうなずくもの。自分が目をそらしてもまわりは変わっていくことを忘れないでいたい。2015/11/19
安瀬内喬
4
赤川次郎は中学生の時に沢山読んだ。「軽い」という認識だった。この随想を読んで、「軽い」のではなくて「かろみ」であったのだと認識を改めた。人間や社会に対する真摯な姿勢。多くの人に読んで欲しい1冊。2015/02/04
ハメ・ドゥースト
3
★★☆赤川次郎氏の随筆集。2017/05/05
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