内容説明
生命の本質は、必然と偶然のあいだに横たわる「偶有性」の領域に現われ、それは私たちの「意識の謎」にもつながってゆく。私が「私」であることは必然か偶然か。自由意志によって因果の壁を乗り越えられるのか――偶有性と格闘することで進化を遂げた人類の叡智をひもとき、激動の世界と対峙する覚悟を示す21世紀の生命哲学!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やまはるか
2
偶有性と関連してここでもクオリアが論じられている。100分で名著を見た時にも思ったことだけれど、スピノザのエチカ、再読したくなった。2019/04/06
キンセンカ
1
茂木さんが語る21世紀の生命哲学本。世界は何が起こるか分からない、その分からない部分と向き合う覚悟を持て、と言う話。難しかったけど読んで良かった。2015/06/28
たらら
1
茂木健一郎の(そしてクオリアの)いいところも悪いところも兼ね備えたお買い得な一冊。思いつきに頼りすぎだが、思いつきをそこまで広げるかという力量に感心さえする。決して解かれないことの味わいを堪能できる。プラトンにならって、クオリアを具体と抽象を入れ替えるものとする叙述はすばらしい。手放しとはいかないが。2015/06/18